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屋内の壁面緑化図る 東急不動産「ブランズ文京東大前」


「ブランズ文京東大前」完成予想図
 

 CO2排出量をマンション全体で約21%削減

 「グリーン +ONE (プラスワン)」を掲げ、 CO2削減、新エネルギーの普及、緑化を推進し、低炭素社会の実現への取り組みに力を入れている東急不動産は、業界でも珍しい“室内の壁面緑化”を採用した環境創造型マンション「ブランズ文京東大前」を分譲する。

 室内緑化は植物の生育にとっては非常に厳しい生育環境にあるが、1000ルックスの光源の確保と「水苔を活用した潅水システム」を施し、植物が生育するための課題を克服。シダ・ツタ類と組み合わせて、「ポトス・ライム」「ヘデラ・グレーシャー」「テイカカズラ」「アジアンタム」など豊富な樹種をラウンジに導入する。  

 屋内緑化を実現することで、「ブランズ文京東大前」では、外部空間からマンション内部のラウンジまで、外から内への緑の連続性を繋げた。自然の真ん中に身を置いたような、ゆったりとした癒しの時間を過ごせる空間を目指す。

 さらに、バルコニーには夏の直射日光を防ぐ緑のカーテンを提案し、プランターが置ける奥行きのある「花台」を設置。このほか「エコジョーズ」「次世代省エネ基準適合」「グリーン電力証書取得」や自然エネルギーの活用などの活用により、CO2排出量をマンション全体で約21%(約12.1トン)削減する。

 外観は、東大の赤門をイメージした紅柄色(べんがらいろ)のレンガタイルを採用。エントランスのある基壇部は落ち着きのある漆黒(しっこく)をイメージしたタイルと、薄香色(うすこういろ)のボーダータイルをするなど、この地にふさわしい知的で風格ある外観デザインとする。

 管理会社や管理組合からのお知らせは、壁かけ式のボードではなく、ラウンジにタッチパネル式の情報端末「i-Panel」(アイパネル)を設置。ニュースや周辺地域情報の配信のほか、クイズも楽しめるなど知的好奇心をくすぐる多彩なコンテンツを備える。

 現地販売担当者によると、「来場者は地元中心だが、スタッフが対応できないぐらいたくさんいらっしゃっている。文京の教育環境を求める方が23区からくまなくみえている。30歳代の子育て世代が約7割で圧倒的に多い。67平方b台がメインなので、価格的にも抑えられている。環境に配慮していることにも共感されている」と、販売に自信を見せていた。

 販売事務所の受付には、実際に採用するものと同じような「屋内の壁面緑化」の見本や外観のレンガも見れるようになっている。

 物件は、東京メトロ南北線東大前駅から徒歩4分、文京区向丘二丁目に位置する9階建て全32戸。専有面積は約48〜67平方b、予定価格は4,400万円台〜6,800万円台(最多価格帯6,500万円台)、坪単価320万円。竣工予定は平成22年6月下旬。施工は土屋組。

   
屋内緑化が図られるラウンジ                バルコニー

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 同社は、以前から環境問題やユニバーサルデザイン(人に優しい)に積極的に取り組んできた数少ない<fベロッパーの1社だ。古くは「柏ビレジ」がそうだし、「季美の森」の「ヴィー・ナチュレール」では、2000年に団地型環境共生住宅の第1号認定を取得している。

 現在は、10月17日〜11月29日までの期間限定だが、モデルルーム来場者1組につき1本の苗木を吉野の森に植えるキャンペーンを行っている。

 「環境」への取り組みは即効的な販売促進にはつながらない≠ニいうのが多くのデベロッパーの声だが、目先の利益を追うから景気変動に翻弄されるのだ。しっかりした哲学を持つことが結局はユーザーに支持される。同社の一連の取り組みに期待したい。

(牧田 司 記者 11月6日)