RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


モリモト「クレッセント高津レジデンス」早期完売へ


「クレッセント高津レジデンス」完成予想図

 

「モリモトのマンションだから買う」ユーザー 3〜4割

 モリモトの「クレッセント高津レジデンス」が驚くほどの売れ行きを見せている。10月から販売を開始し、既に全82戸のうち70戸を完売し、残りは12戸のみ。残りも11月15日に抽選分譲する際には完売になりそうだというから、この時期の中堅デベロッパーのマンションとしては驚異的な売れ行きだ。来場者は約300組。

 物件は、東急田園都市線高津駅から徒歩10分、川崎市高津区北見方1丁目に位置する7階建て全82戸。専有面積は約51〜90平方b、坪単価は190万円。11月15日に抽選分譲する9戸の価格は2,990万〜4,850万円(60〜77平方b)。完成予定は平成22年8月下旬。設計・監理は JWA 建築・都市設計、デザイン監修はケー・オー・デザイン・スタジオ、施工は東海興業。

 現地は、府中街道から一歩入ったところで、住環境としてはまずまずの立地だ。記者の相場観は坪200万円だったが、それより安かった。人気の第一の要因は、この価格の安さだろう。住棟は東向き、南向き、西向きの3棟構成だが、東向き、あるいは西向きの専有面積が狭いタイプは3000万円だし、南向きも4000万円台の前半が中心だ。価格が安い割には、プランもよく考慮されている。東向きも西向きもワイドスパンにして開口部を広く取っている。

 もう一つは、やはり高いデザイン性だろう。デザイン監修を担当しているのは、2008年にグッド・デザイン賞を受賞した「ディアナコート成城翆邸」を始め多くのモリモトの物件を担当している建築家の押野見邦英氏。外観は正方形のベージュタイルやブラウンの水平ラインを採用。アプローチにはメタルルーバーを採用してスタイリッシュな表情を演出している。内装にもこだわりを見せており、シンプルで機能的な素材を多用している。

◇     ◆     ◇

 モリモトのマンションについては、これまで当欄でたくさん紹介してきたが、このマンションも極めてデザイン性に優れたマンションだ。単価は安いが、坪200万円を切る物件のそれではない。準都心部のハイグレードマンションとしても十分通用するはずだ。

 同社は、再生計画が今年8月に承認されて以来、「池上」「大倉山」「三軒茶屋」「二子玉川」「南馬込」「尾山台」など続々早期完売を果たしている。「町屋」も残り1戸だという。中堅デベロッパーでこれほど好調な売れ行きを見せているデベロッパーは皆無だろう。

 中堅デベロッパーの経営陣に言いたい。今回の「高津」のマンションでも、「モリモトのマンションだから見に来た」という都内から来場者が目立ち、購入者の3〜4割はモリモトのマンションをこれまでに見ている人だという。

 このようなファンをつくるようなマンションを開発しないと、これからの厳しい時代に生きていけないだろう。当欄で紹介できる(つまりレベルが高い)中堅のマンションがどんどん少なくなっていくのは残念でならない。

(牧田 司 記者 10月30日)