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驚愕の3点セット≠ネらぬ水回り5点セット

和光製作所が販売開始


「subaco /スバコ03」 のモデル

 

「住箱」⇒「スバコ」は巣箱≠フ間違いではないのか

 驚愕の3点セット≠ネらぬ水回り5点セット≠ェ発売される。日本最大手の浴槽メーカー和光製作所(本社:京都市伏見区、西田隆一社長)は10月29日、同社浴室関連オリジナルデザインブランド「SPIRITUAL MODE/スピリチュアルモード」の新商品「subaco/スバコ」の記者発表会&プレスプレビューを行った。

 「subaco/スバコ」は、従来の賃貸マンションやビジネスホテルなどではかなり普及している「バス」「トイレ」「洗面」を集約した3点セット≠ノ加え、「キッチン」「洗濯」の機能も含めた 5点セット≠わずか2m×2m=4uの空間に集約したもの。さらに、仕様によってはロフトも設けることも可能だ。「subaco/スバコ」のネーミングは、「人が住まう箱」⇒「住む箱」⇒「住箱」を英語標記にした造語。

 新商品を開発した意図・背景について、西田社長は「賃貸マンションは築25年以上の物件が全体の50%を占め、賃料の値下がりで収益力が低下しているが、資金不足で建て替え、リフォームができない現状で、空室率も上昇している」と語った。新商品は躯体構造と独立しており、@水回り工事が2〜3日で行え、工期の短縮と防水工事が不要A設計費用・工事費用が削減できることなどを挙げ、なによりも最大9.59u(ロフト含む)の床面積が拡張可能であることを強調した。

 商品は3タイプあり、バスタブ(1200×700)・洗面・洗濯スペースが標準仕様の「スバコ 01」が1320×1960×2400 (上代価格150万円〜)、01にキッチン(IH)、トイレを加えた「スバコ 02」が1960×1960×2400(同200万円〜) 、02と同サイズながらコンパクトサイズの対面式キッチンを搭載した「スバコ 03」が1960×1960×2400 (同250万円〜)。部屋の用途に合わせカラーバリエーション、アウトスペースなどにも対応できる。12月1日から受注を開始する。

 当初年間受注目標は1000セット。大阪の新築賃貸マンションで試験的に行った事例では、他の一般的な住戸より3倍の応募がありすぐに賃借人が見つかったという。

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 もちろん業界初のことだから驚いたのだが、キッチンのすぐ後ろにガラス張りのトイレ・浴槽・洗面が備え付けられていたのを見て、絶句してしまった。いくら水回りをこのように集約して2坪(ロフトを除く)、つまり畳4畳分のスペースが確保できるとはいえ、賃借人の理解が得られるとは思えなかった。「スバコ」とは、餌やりも排泄も同じ場所で行う巣箱≠フ間違いではないかと考えてしまった。

 ところがどうだ。同じ記者発表会に同席していた独身と思われる女性は「別に抵抗感などない」と仰った。同社の担当者も、商品開発の段階で社内の女性にヒアリングをしており、それほど抵抗感がなかったという。最近の若い女性が考えることはさっぱり分からない。そのことを改めて感じさせられた会見でもあった。

 記者には到底受け入れられない商品だが、分譲マンションにも採用できると思ったパーツがあった。それは、洗面と洗濯スペースを一緒にしたものだ。もちろんサイズは小さいが、洗面下に洗濯機置き場を設けるのは妙案だ。こんなことを言うとユーザーには怒られるかもしれないが、洗面台下の収納スペースにはろくなものしか収納していないのではないだろうか。洗面と洗濯機置き場を集約すれば、それこそ大きなスペースが確保できる。

  
「subaco /スバコ02」 の外観モデルと内部

(牧田 司 記者 10月29日)