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三井不動産 「ララガーデン長町」 29日オープン


「三井ショッピングパーク ララガーデン長町」

 三井不動産は10月29日、宮城県仙台市で開発を進めてきた商業施設「三井ショッピングパーク ララガーデン長町」を開業する。開業に先立つ27日、報道陣と関係者に公開された。

 同施設は、仙台市営地下鉄長町南駅直結(仙台駅から約10分)、仙台市太白区長町に位置する6階建て延べ床面積約42.000平方b、店舗数87店。

 仙台市が公益施設用地として土地を所有していたが、バブル崩壊後の厳しい状況から、公益的機能や商業・業務機能を導入することなどを条件に「長町七丁目西地区市有地有効活用事業」企画提案コンペを平成18年に実施。4つの提案の中から同社案が選定され、市と事業用定期借地権設定契約を結んで開発を進めてきたもの。

 “家族で憩うデイリーコミュニティモール”をコンセプトに、MDはみやぎ初出店26店と地元店15店のコラボレーションを図っている。5階には商業エリアでは市内初の認可保育所を設置する。

 また、長町エリア全体の商業機能をより一層充実させるため、隣接する既存ショッピングセンター「ザ・モール仙台長町」と2・3階でブリッジにより接続し、利便性を高める。双方を合わせると店舗面積は約74.000平方b、約250店舗となり、市内最大規模となる。

 挨拶した同社東北支店長・植草慶一氏は「地域の更なる活性化に貢献できるよう、新たな魅力を付加したい」と語った。年間集客目標は400万人で、売上げ目標は80億円。約700人の雇用も創出した。

  
挨拶する植草氏                      店舗内

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 見学を終え帰ろうとしたら、同施設に隣接する「ザ・モール」の周辺にはおびただしい自転車が停められていた。ララガーデン≠ヘ、近隣商圏がメインターゲットの同社の商業施設だから自転車や車での利用は当然だが、その一方で地下鉄の利用者は一目見て少ないと思った。駅で確かめたら、1日の乗降客は約2万人だった。100万都市の中心市街地の一駅としてはいかにも少ない。

 この光景を見て、「パーク・アンド・ライド」(交通渋滞の緩和や地球環境に配慮するため、極力公共交通機関を利用する方法)を推進しようという市の考えがよく理解できた。おそらく市民の多くは移動手段として車や自転車を利用しているのだろう。車を捨てろとまではいわないが、利用を少なくし、公共交通機関を利用するようにすればもっと快適な生活が出来ると思うがどうだろう。これは仙台に限ったことではない。地方都市全体にいえることだ。

 パーク・アンド・ライドを促進するため、地下鉄「長町南」駅構内にQRコードを掲出、ケータイでクーポンを取得するとララガーデン長町のレストランなどのショップ利用の際に割引やサービスが受けられるようになっている。3000円以上利用で10%の割引が受けられる店もあるようだ。

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 1日の乗降客数が2万人という数字は、先月に同社が開業した「ららぽーと新三郷」の最寄駅JR武蔵野線新三郷駅の約24.000人(開業前)とそれほど差がない。「ららぽーと新三郷」の開業によってどれぐらい新三郷駅の乗降客が増えたか不明だが、激増しているのは間違いない。ちなみに「ららぽーと新三郷」の年間来場者数は約1200万人と同社は予想している。


ザ・モール」の敷地内に停められている自転車

(牧田 司 記者 10月28日)