RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


管理協30周年記念式典で見た民主党の前途多難


高層住宅管理業協会の設立30周年を祝う記念式典(帝国ホテルで)

 人口比にして約10人に1人の割合の約1,300万人、全国のマンションの約88%に当たる約481万戸のマンションを加入会社が管理する社団法人高層住宅管理業協会(黒住昌昭理事長・大京アステージ会長)の設立30周年を祝う記念式典が10月20日、都内のホテルに関係者四百数十人を集めて行われた。記者は、その会場で民主党新政権の多難な前途を示す、信じられない光景を目の当たりにした。

 黒住理事長の挨拶から始まり、前原国交相の挨拶文の代読に続いて、民主党・村越祐議員(千葉県第5区選出の2期目、35歳)が挨拶に立ち、2番目に登壇したのは同党・松岡広隆議員だった。松岡氏は、先の衆議院選挙で比例近畿ブロックから単独50位で出馬し初当選。27歳の最年少の国会議員となった。

 松岡氏は、最年少議員であることを紹介した上で、@マンションに住んだことがあるAコミュニケーションが大事なのも認識しているBこれから勉強したい――などと述べた。

 記者は、「マンションに住んだことがある」という言葉は区分所有者だったという意味ではないと理解したが、そんなことより「これから勉強したい」という言葉を信じようと思ったし、期待もした。

 各氏の挨拶が終わってから10分も経っただろうか。マンション管理に対する取り組みについての意気込みを聞こうと思ったが、すでに退席されていた。大物国会議員と同じ振る舞いだった。国会議員として最初に挨拶された先輩議員・村越氏が、その後も関係者と懇談していたのとは対照的だった。

 どの世界であれ、先輩を差し置くというのはご法度だと思ったが、政治の世界はそうではないのかもしれないし、松岡氏には管理協の会合以上に大事な会合があったのかもしれない。

 この点については、ご本人に確認する以外分かりようがないが、今回の式典には協会の理事を始め不動産協会の岩沙理事長、日住協の神山理事長など業界の錚々たるメンバーが揃っていた。国交省からも課長クラスが顔を揃えていた。少しでも学ぼうという姿勢があれば、恥をしのんで聞くべきではなかったか。松岡議員が生まれる前に発足した管理協が何だか軽んじられているような気がして正直腹が立った。同時に、民主党政権の前途は多難だと思った。村越議員も「専有部分」と言うべきところを「共有部分」と言い間違えたのは、単なるミスだったのだろうかとさえ思った。

 これに対して、自民党はマンション管理に詳しい 山本有二議員(高知県3区選出)を含め3人、公明党は井上義久議員(同党マンション問題議員懇話会会長、比例東北ブロック選出)、山口那津男議員(同党代表)を含め7人が出席。井上議員は「(管理協が目指す)住生活総合サービス業という位置づけは大きな革命になる」と業界にエールを送った。

(牧田 司 記者 10月21日)