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 東急不動産 新しいシニア向け住宅
「クレールレジデンス桜台」開業


「クレールレジデンス桜台」


  東急不動産は10月16日、同社の新しいシニア向け住宅「クレールレジデンス桜台」を開業する。開業に先立つ14日、報道陣向けに見学会を行った。

 同社は平成15年からシニア住宅事業に参入、16年開業の「グランクレールあざみ野」(76戸)を皮切りにこれまで「グランクレール」シリーズなど6物件434室と要介護者向け住宅3物件156室を展開している。

 今回の「クレールレジデンス」は、これまでの「グランクレール」の施設利用状況や「もっと価格を抑えられないか」という顧客の声を反映し、従来のシリーズより共用部・サービスを効率化することで価格を抑えた新シリーズス。多目的ホール、大浴場、AVルームをなくしたほか、車椅子回転寸法を一部取りやめたことなどで約50%を占めていた建物の共用部分を約30%に削減した。 

 この結果、一括払い方式を選択した場合、従来型で4092万円のワンルームが3013万円へと1000万円以上安くなり、月払い方式でも従来型だと約35万円なのが24万円へと約11万円低減される。

 「クレールレジデンス桜台」は、東急田園都市線青葉台駅から徒歩約15分、横浜市青葉区桜台に位置する5階建て72戸の規模。居室面積は40〜71平方b。ロビー、ラウンジ、ダイニング、多目的室、屋上テラスなどを設置したほか、24時間の有人管理体制や食事サービスなどのサービスは従来型と同じにしている。

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 シニア向け住宅はそれこそピンからキリ≠ワであるので、どこと比較するのかによって異なってくるが、今回の「桜台」はアッパーミドルの層にとっては水準以上の住宅だと思った。居室の設備仕様は、普通のマンションと比べ遜色ない。浴槽がワンルームでも13×17が確保されていた。フラットサッシとウッドデッキも採用されていた。柱の角の面取りも施されていた。

 所有権分譲よりは若干高いが、食事サービス、24時間常駐管理、定期健康診断、介護住宅への移り住みなどが保障されるのだから、トータルとしてはかなり割安だと思った。

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 このような住宅・施設を見学するたびに思うことだが、どうして一般の住宅(マンション)と隔絶させるのだろうと。入居者は、しわくちゃのおばあちゃんやおじいちゃんといつも顔を合わせなければならなのは苦痛ではないのか。若い女性あるいは青年、可愛い子どもの姿は見たくないのだろうか。同年輩の人のあからさまな蔑みや同情の目に耐えられるのだろうか。若かりしころの自慢話を聞かされることに飽きることはないのだろうか。

 それと、行政にいいたいのだが、どうして「特別養護老人ホーム」「有料(優良も問題だろうが)老人ホーム」などの差別語を容認しているのか。「老人居宅介護等事業」「老人デイサービス事業」「老人短期入所事業」「小規模多機能型居宅介護事業」など分かりづらい制度を見直すことも含め、法的論拠となっている「老人福祉法」の改正を行って欲しい。

 どう考えても今の制度は、法の目的である「豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる」生活の保障がされているとは思えない。

  
居室内                            ロビー

(牧田 司 記者 10月14日)