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 中古マンション活況 千葉県は新築を上回る逆転現象

 中古取引が激増――国土交通省の不動産取引公開サイト「REINS Market Information (レインズ・マーケット・インフォメーション)」によると、今年上半期の中古住宅の取引が激増していることが分かった。

 このほど公開された7月〜9月の東京都都心5区の中古マンション取引件数は616件(前年同期比18.9%増)、平均成約価格は4,341万円(同0.8%減)、平均u単価は71.85万円(同3.1%減)、平均専有面積は56.64u(同1.2%増)となった。

 他のエリアもほぼ同じだ。世田谷、大田区などの23区南部の成約件数は607件(同12.2%増)、平均成約価格は3,717万円(同1.6%減)、平均u単価は57.77万円(同3.9%減)、平均専有面積は62.40u(同2.4%増)となっている。千葉市などの千葉県中央部の成約件数は339件(同13.8%増)、平均成約価格は1,585万円(同4.7%減)、平均u単価は21.13万円(同3.1%減)、平均専有面積は71.19u(同2.0%減)となっている。

 これら3エリアの4〜9月の成約件数は合計3.292件で、前年同期の2.877件より14.4%増加している。景気など外部環境が厳しいことを反映して成約価格やu当たり単価は下落基調にあるが、成約件数の伸びは先行きに明るい材料といえる。中古戸建ても同様の傾向にある。

 詳細な流通マーケット情報は東日本不動産流通機構から13日に発表される。

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 新築マンションの供給量が激減しており、ユーザーにしてみればそれだけ選択の幅が縮小しているのだから、中古マンションの市況が活況を呈するのは当然だ。典型的なのが千葉県だ。千葉県は着工戸数も激減しており、近いうちに中古の流通量が新築を上回る。あるいは既に上回っているとも取れる。

 レインズ・マーケット・インフォメーションによると、今年度4〜9月の千葉県3エリアの中古マンション成約件数は2.207件だ。一方で、不動産経済研究所の調査によると、千葉県での4〜8月の新築マンション供給戸数は1.788戸だ。9月の戸数は発表されていないが、419戸を上回らないと中古の成約件数を超えることは出来ない。新築の供給量はせいぜい300戸程度だと思われ、中古が新築を上回るのは間違いない。

 わずか半年のデータではあるが、中古の成約件数が新築の供給量を上回るというのは、バブル崩壊後にあったかどうか。逆転現象は、中古のu当たり単価や成約価格にも影響を及ぼすことになりそうだ。

(牧田 司 記者 10月8日)