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扶桑レクセル「レクセル北戸田」

1期ほぼ即完で見えた光明


「レクセル北戸田」完成予想図

 どうすればマンションが売れるかについて大いに参考になる物件を紹介しよう。扶桑レクセルの「レクセル北戸田」だ。

 物件は、JR埼京線北戸田駅から徒歩6分、戸田市大字新曽字稲荷(新曽第一土地区画整理事業地内)に位置する7階建て全33戸の規模で、1期14戸の専有面積は約68〜90平方b、価格は3530万〜5350万円 (最多価格帯3500万円台・3700万円台・4900万円台) 、坪単価は180万円弱。竣工予定は4月1日。設計・監理はアートプランニング、施工は川口土木建築工業。

 モデルルームオープンは1月10日で、1期分譲が本日(28日)から開始され13戸に申込が入った。来場者は約140件だ。

 物件の最大の特徴は、区画整理が進む四方道路に囲まれた立地条件にあることだ。

 第2は、価格の安さだろう。竣工時期から判断して当初の売り単価は坪200万円を突破していたはずで、同社は売れる♂ソ格としてこの値段を設定したと思われる。この値段が相場とみてよい。

 第3は、この点については強調したいのだが、価格に見合う以上の価値のある物件であるという点だ。いうまでもなく、同社はユニバーサルデザインを全物件のテーマに掲げている。当欄でも何度も書いてきたが、廊下幅のメーターモジュール、トイレドア幅は広めの850ミリ、フラットサッシ、プッシュプルハンドル、手すりの設置のほか、ユニバーサルデザインキーと連動したオートロックシステム、共用部廊下などは滑りにくい素材の採用、AEDの設置などだ。基本性能・設備は、二重床・二重天井、逆梁ハイサッシ、フルオートトイレなどだ。

 完成間近で販売したのも特徴の一つで、ゆったりした外構、オートゲート付き専用ガレージ、公道と段差のないアプローチなども確認できる。

 販売を担当している同社営業部課長・小川新氏(33)は、完成販売の狙い、お客さまの反応などについて次のように語った。

 「完成販売を選択したのは、最近のお客さまは物件選択に慎重で、実物を見てからという方が増えていることもありますが、現物を見ていただいたほうがユニバーサルデザインの実際がよく確認していただけるし、オートロック、勾配つきのアプローチなど充実した共用部も見ていただきたかったからです。

 即日完売を考えていたのですが、 2 期のプランを選択された方がいらっしゃったからです。申込者の8割は40歳以下のファミリーの方です。お客さまの中には『値下げ』を仰る方もいらっしゃいますが、グループ全体として減損会計など行い、お客さまのニーズに十分応えられる価格であることをきちんと説明して了解して頂いています。

 区画整理事業そのものがユニバーサルデザインを取り込もうという市の方針とリンクしたのもお客さまに評価していただきました」

◇     ◆     ◇

 記者は、小川氏の話を聞いて、モデルルームを見学して、今年のマンション市場の前途に光明を見出した。苦境をどうすれば乗り切れるかのヒントが全てこのマンションにはある。 同社のUDは真似ができないかもしれないが、他の面で需要を喚起することは可能なはずだ。

 小川氏は、「年が変わって、お客さまの反応が変わられたのを肌身に感じます。政策金利が採用され、住宅ローン減税が拡充され、いまが買いどき≠ニお客さまも感じていらっしゃるようです」とも語った。

 この言葉に記者も勇気づけられた。現場取材でしか味わえない喜びが経験できたことに感謝したい。


「レクセル北戸田」エントランス(完成予想図)

(牧田 司 記者 1月28日)