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 マンション空白区で半年間に約230戸販売 

驚異的な売れ行きナイス「ガーデンブリーズ 光の街」


「ガーデンブリーズ 光の街」

 業界関係者でも知っている人が少ないと思われるエリアで、極めて好調な売れ行きを見せているマンションを紹介しよう。ナイス(事業比率55%)とNTT都市開発(同45%)が共同で分譲している「ガーデンブリーズ 光の街」だ。

 物件は、JR相模線番田(ばんだ)駅から徒歩4分、相模原市上溝に位置する15階建て全311戸の規模。専有面積は約64〜88平方b、現在分譲中の住戸(18戸)の価格は2,060万〜2,820万円(最多価格帯2,300万円台)、坪単価は108万円。入居予定は平成21年9月下旬。設計・監理は長谷工コーポレーション、施工は長谷工コーポレーション。

 JR相模線は、JR橋本駅−茅ヶ崎駅間約33キロを約1時間で結ぶ単線で、運行本数は1時間に3〜4本。単線であることから対向車両を待つこともあり、各駅での停車時間が長いので時間がかかるのが難点だ。番田駅は橋本駅から3駅目。乗車時間は約9分。1日当たり乗降客は5000〜6000人。

 橋本寄りの南橋本、上溝駅圏では結構マンションの供給があるが、番田駅圏では10年ぶりというから空白区≠ニもいえる。記者も南橋本や上溝のマンション取材は経験があるが、番田駅に降りるのは初めてだ。失礼だが、いかにも田舎の駅舎(政令指定都市申請に伴い改築されるそうだが)で、駅前には商業施設も乏しく、戸建て住宅街を形成している。

 同物件が分譲開始されたのは昨年の11月。当初の分譲単価は131万円。リーマン・ショックの直後だったため売れ行きは芳しくなかったようだ。そこで今年3月に現在の108万円に価格改定した。値下げに際しては既契約者には全額割戻し、あるいは広い住戸に変更してもらうなどの措置も行っている。

 驚異的な売れ行きを見せたのはそれからだ。物件の販売責任者、ナイス住宅事業本部首都圏営業部課長・城戸伸一朗氏によると「広告展開を開始したのは4月からで、7月には40戸契約したのを始め、毎月コンスタントに30〜40戸売れています。4分の3が終わりました。申込者は地元が6割で、市外の厚木、八王子、町田、横浜などが約4割。ロードサイドの看板を80カ所ぐらいに立てているのが効果的」と話す。

 もう一度書くが、ここ10年間、1棟のマンション供給がなかったエリアで実質半年間に約230戸を販売したことになる。スタッフは14人だから、1人平均1カ月で3戸近い契約数になる。驚異的な売れ行きだ。

 人気の要因は、いうまでもなく価格の安さだろう。千葉・茨城方面の郊外部では坪100万円を割る値下げ物件は珍しくないが、神奈川県下ではそうないはずだ。広域から集客できているのもこのためだ。もちろん、頭金なしでも家賃並み≠フローン支払いで購入できる。

 ただ価格が安いだけでない。キッズルーム、ゲストルーム、ミニショップなど共用施設を充実させ、免震構造、ディスポーザーなど沿線にはない基本構造、設備仕様としている。間口が約7.7メートルの75平方b台のプランもいい。

 この単価でこの設備仕様なら郊外・遠隔物件でも売れることを証明したマンションだし、マンション市場が確実に回復しつつあることを印象付けるマンションだ。

(牧田 司 記者 9月25日)