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 今秋の注目マンション 

ナイス「ロイヤルタワー横濱鶴見」


「ロイヤルタワー横濱鶴見」完成予想図

 ナイスが10月下旬に分譲する今秋の注目マンションの一つ「ロイヤルタワー横濱鶴見」を見学した。記者は、このマンションが今秋のマンションの売れ行きをはかるメルクマールになると考えている。それだけにいったいいくらで分譲するか気に掛かっていた。それをさぐるのが見学の最大の目的だ。

 物件は、 JR 京浜東北線鶴見駅から徒歩1分、または京浜急行線京浜鶴見駅から徒歩1分、横浜市鶴見区鶴見中央一丁目に位置する31階建て全301戸の規模だ。専有面積は約50〜115平方b、価格は未定だが、坪単価は280万から290万円になる模様だ。竣工予定は平成22年9月末。設計・施工は竹中工務店。

 都市再生機構が平成12年度から推進している「鶴見駅東口地区第一種市街地再開発事業」の一環として進められているもので、同社が保留床を取得して分譲するものだ。建ぺい率は70%から90%へ、容積率は400%から500%へそれぞれ緩和されている。

 分譲計画が発表されたのが一昨年の9月だった。この時点で記者は坪単価300万円を突破するのではないかと思っていた。しかし、さすがに今の市況では300万円は無理で280万円ぐらいに落ち着くのだろうと思ったが、その通りになりそうだ。この単価でも、販売はらくではないだろうが、物件の魅力を訴えきれれば、完売まで時間はかからないとも考える。

 最大の魅力とは、言うまでもないことだがその立地条件と資産性だ。再開発前の駅前は飲食街とJRの操車場などで雑然とした街並みが形成されていたが、再開発により一変する。駅前広場が整備され、駅ビル・ホテル、公益施設・商業施設、保育園などが併設される。既存の駅西口よりきれいになるはずだ。

 もう一つは、周辺の借景だ。鶴見区では高度地区制度で最高でも31メートル、つまり10階建て程度の建物しか建てられないことになっている。このような再開発計画でない限り、周囲には超高層建築物が建設される余地はほとんどない。
  このマンションとJRの線路を挟んだ反対側には総持寺の境内が眼下に見渡せるし、遠くには富士山も眺められる。駅前の一等地でありながら、これほど眺望に恵まれたマンションはそうないはずだ。それが将来にわたって保障されるのだから、極めて資産性の高いマンションだ。

 基本性能、プランも悪くない。竹中の制震工法が採用されており、スケルトン・インフィルにもなっている。階高は約3.2メートル、リビング天井高は2600ミリ。毎週5日間、各住戸の玄関先までゴミ回収がされるという面白いサービスもある。

 一つ注文をつけるとすれば、建具・面材、クロスなどの仕様だ。最上階は特別仕様となるようだが、標準階の仕様はやや見劣りがする。一般ユーザーにも分かるはずだ。これはどうも企画が都市再生機構によって進められたことと無関係ではなさそうだ。

 それでも事前の反響は大きく、既に優先住戸として約70戸が申込済みで、販売責任者によると、コンパクトタイプの50〜60平方b台は抽選になる人気となりそうだ。億住戸は2戸しかなく、億住戸の販売に苦労することもないだろう。1期分譲は80戸ぐらいになるという。このマンションの売れ行きは、その後の高単価マンションの売れ行きを左右すると記者はみている。

(牧田 司 記者 9月7日)