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三井不動産・鹿島建設・フジ都市開発

「パークホームズ東陽町キャナルアリーナレジデンス」好調の理由


「パークホームズ東陽町キャナルアリーナレジデンス」完成予想図

 三井&鹿島のブランド+ターゲットを若年層に絞り込んだ企画

 野村不動産の「プラウド東陽町」が好調な売れ行きを見せていることを当欄で紹介した。同じ東陽町駅圏では三井不動産(事業比率50%)・鹿島建設(同40%)・フジ都市開発(同10%)が「パークホームズ東陽町キャナルアリーナレジデンス」を分譲しており、こちらも好調な売れ行きを見せている。

 物件は、東京メトロ東西線東陽町駅から徒歩7分、江東区塩浜2丁目に位置する17階建て全262戸の規模。専有面積は約56〜84平方b。近く分譲される1期4次の最多価格帯は4700万円台。坪単価は220万円。施工は鹿島建設。竣工予定は2010年3月下旬。

 分譲開始は6月。これまで約130戸が供給済みで、順調な売れ行きを見せているという。

 双方の競合がほとんどないというのもよく分かる。立地、コンセプトが全く異なるからだ。野村不動産の物件は、駅から徒歩13分とややあり最多価格帯が5500万円台(坪単価232万円)と高いが、敷地の南側が仙台堀川公園に面しており、生活利便施設も多いことからからアッパーミドルのファミリー層に人気になっている。

 一方の「パークホームズ」は、駅から7分と近いうえ単価が約10万円安く、敷地の北側が汐浜運河に面しているのが若年層に受けているようだ。専有面積が70平方メートル前後で、間口はほとんどが6〜6.2メートルだが、スラブ厚も戸境壁も 250 ミリの耐震壁付きラーメン構造、順梁アウトフレームを採用することで耐震性、遮音性、居住性を高める工夫を凝らしている。

 つまり、このマンションは三井&鹿島のブランド力を背景に、徹底してターゲットを若年ファミリー層に絞り込んだ物件ということがいえそうだ。特に鹿島はここ数年、アッパーミドル向けの「加賀レジデンス」や郊外はともかく、都内のファミリー向けマンションはほとんど供給していない。過去10年さかのぼってもないのではないか。それだけに希少性もある。

 もう一つ、おやっと思ったことがある。「ダイレクトデリバリーシステム」というもので、新聞や牛乳などの乳製品、焼きたてパンを玄関先まで届けるというのだ。モデルルームには宅配専用のボックスも用意されていた。新聞を玄関まで届けるサービスは多いが、乳製品や焼きたてパンまで自宅に届けるサービスというのはあまり聞いたことがない。(穴吹工務店は米、灯油、醤油などの宅配サービスから掃除まで行うのが人気と聞いているが)

 考えてみれば確かにマンション事業は住生活総合サービス業でもある。

(牧田 司 記者 8月21日)