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民主党が仲介手数料の「両手禁止」打ち出したが…

 不動産データ&ジャーナル社の浅見貞男編集長から「〔日米の不動産仲介制度〕サイト開設」のお知らせが届き、民主党が不動産仲介手数料の「両手禁止」政策を打ち出したことを知らせてくれた。

 同党が「『民主党政策集』 INDEX2009 」」で発表したもので、「安心取引で中古・リフォーム・賃貸市場を活性化」する政策の一つとして「一つの業者が売り手と買い手の両方から手数料を取る両手取引を原則禁止とします」としている。

 どうして「両手禁止」をするのかその理由は示されていないが、「政権交代」選挙を間近に控え、論議を呼ぶのは間違いない。

 記者は、不動産流通業についてはよく分からないが、「両手禁止」は分からないわけではない。売主と買主の双方から手数料を受け取るのは利益相反≠ナはないかという論議がされているのも承知している。

 しかし、これまでRBAタイムズの元気印≠ネどの取材を通じて、レベルの高い不動産流通会社の営業マンは、ややもすると利益相反になりかねない不動産売買を見事にこなしていると思う。

 レベルの高い営業マンに共通しているのは、双方にマイナス情報を包み隠さずきっちりと伝えていることだ。物件調査に当たってもグレーゾーンを全然残さないということも知った。だからこそ売主、買主双方から信頼されるのだろうと思った。逆に、売主、買主双方にいい顔≠して失敗した話を何度も聞いた。

 当たっているかどうか分からないが、不動産仲介業は「仲人」のような存在ではなかろうか。双方のいいところも悪いところも承知した上で、お互いを結びつける重要な役割を担っている人だ。

 記者は若い頃、いたずら半分に2〜3組の縁結びをやったことがある。双方がまったく関心を持っていないのに、彼氏に対しては「彼女が君のことを誉めていた」といい。彼女に対しては「あなたを彼は好きなようだ」と話すのだ。これが実に効果的なのだ。2人の関係は一気に縮まる。その後、夫婦は離婚したとも聞いていないので、私の役割は大きかったのだろう。

 仮に、彼氏の側につく仲介人と彼女の側につく仲介人がそれぞれいたら、お互いの欠点をあげつらうばかりで、おそらくまとまるものもまとまらないだろう。

 民主党は、どうして「両手」がダメなのかきちんとその理由を明示すべきだろう。同党は「従来の持ち家取得への偏重を是正し、ライフスタイル・ライフステージに合った住宅政策への転換を図ります」ともしているが、これは理解できる。

 個人的には、手数料率については論議したほうがいいと思っている。手数料を値引く業者もあるが、仲介業をサービス業と位置づけるなら、そもそもサービスを値引く≠ニいうことは、サービスの質を落とすということにならないか。手数料率をフリーにして、競い合ったほうがいいと思うがどうだろうか。

 不動産データ&ジャーナル社のホームページは下記へ。

http://www.fdj.com/

(牧田 司 記者 8月11日)