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絶妙な坪240万円の単価設定

住友不動産「シティタワー有明」


「シティタワー有明」空撮

 住友不動産は7月13日、住友商事と共同(事業比率:同社88%、住商12%)で7月2日から分譲を開始した「シティタワー有明」の記者見学・発表会を行った。

 物件は、ゆりかもめ「有明テニスの森駅」から徒歩10分、またはりんかい線「東雲駅」から徒歩12分、江東区有明一丁目の一角に位置する33階建で全483戸の規模。専有面積は約44〜129平方b、1期137戸の価格は3110万〜1億630万円(最多価格帯4200万円台、60平方b台)、坪単価は240万円。入居予定は平成22年4月中旬。基本計画は日建設計、設計・監理・施工は前田建設工業。

 現地は、都の計画により居住を中心とするエリアとして定められている臨海副都心の4地区のうち「有明北地区」に位置。将来居住人口は約38,000人、就業人口約14,000人。

 建物は外観にガラスカーテンウォールを採用した免震工法で、足元約9センチからサッシ高約2200ミリの「ダイナミックパノラマウインドウ」、8メートル以上のワイドスパン、階高3350ミリ(リビング天井高2630ミリ)などが特徴。

 1期は既に80.3%の契約率で好調に推移している。

   
外観(完成予想図)             「ダイナミックパノラマウインドウ」(完成予想図)

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 いつものようにモデルルームを見学しながら、単価がいくらになるかを考えた。先輩記者とは「5000万円を超えると厳しいので、坪単価250万円を超えるかどうかでしょう」と話した。設備仕様は水準以上だ。

 記者発表を行った同社執行役員マンション事業本部営業第一部部長・雨宮竜三氏の答えは240万円だった。ピン、ポーン、絶妙な単価設定だと思った。全483戸に占める5000万円超の住戸の比率は約3割ぐらいということだったので、販売に苦労することはなさそうだ。雨宮氏は「竣工後、半年ぐらいで完売したい」と語った。隣接地が東京オリンピック選手村予定地になっており、仮に開催が決定すれば竣工まで売れてしまうのではないかと考えた。

 ユーザーにお薦めは最上階タイプの129平方bのタイプだ。1億5000万円ぐらいというが、天井高は2980ミリ。景気がいい頃なら間違いなく2億円をはるかに突破していたはずだ。

 雨宮氏は、会見の中で「建物の南側は文京施設が続々出来るし、その先は東京湾。北側は都心のビル群が一望できる。まるでマンハッタン島のよう。他に類をみない街になる」と強調した一方で、最近の市況を考慮して分譲単価については当初予定の260万円から240万円に修正したことも明らかにした。

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 記者発表会で、このような価格設定の経緯についてきちんと説明するのは珍しい。記者は大賛成だ。途中で値引きするのはみっともない。値づけの能力がないことを明らかにするようなものだ。(今回の激変市場はやむをえない部分もあるが)


記者発表会場

(牧田 司 記者 7月13日)