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国交省 「土地政策の中長期ビジョン報告」公表

 国土交通省は7月2日、国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:小林重敬 東京都市大学教授)と国土審議会土地政策分科会企画部会中長期ビジョン策定検討小委員会(委員長:小林重敬 東京都市大学教授)が審議を進めてきた「土地政策の中長期ビジョン(国民生活を豊かにする不動産のあり方ビジョン)報告」を取りまとめ公表した。

 報告書はA4判で58ページにもわたるもので、第1部の「土地政策の中長期ビジョン」と第2部の「土地政策の中長期ビジョンの実現に向けと」の2部構成になっている。

 ここでは「当面する政策課題への対応」として取り上げられている@CRE・PRE等の推進Aエリアマネジメントの推進 −ニュータウン再生を中心として−B不動産情報の総合整備C環境等新たな価値の不動産への取込みD外部不経済対策 ―空き地・空き家等に対する取組を中心として―政策課題――を紹介する。

 @のCRE戦略については、民間主導の取り組みは浸透していないのが現状であり、引き続き土地利用の有効化が図られるよう、手引きの普及と情報更新、情報提供などを進めていく必要があるとしている。PRE戦略についても、全庁的・計画的な不動産管理、資産活用に関するノウハウ、人材の確保などの取り組みが行われておらず、戦略実践のノウハウ蓄積・人材育成を図ることが必要としている。

 Aのエリアマネジメントでは、高齢化の進むニュータウンの再生に向けたエリアマネジメントの推進が喫緊の課題とし、国、地方公共団体、住民等が既存の制度的枠組みにこだわらない大胆な取り組みに総力を結集すべきとしている。

 Bの不動産情報の総合整備では、建物を含む不動産に関する情報の提供の充実を図ることにより、国民が安心して不動産取引を行うことができるようにするとともに、不動産市場の透明性を高め、国内外の中長期的な投資資金を日本の不動産に呼び込むことが重要であるとしている。

 Cの環境不動産への取り組みについては、環境不動産を選択するインセンティブを生み出す情報を整備・提供していく仕組の構築が必要としている。

 Dの外部不経済の未然防止では、発生した場合の調整ルール・体制整備、条例の制定、円滑・迅速な紛争調整、外部不経済の問題に対応できる人材の育成などを課題としてあげている。

(牧田 司 記者 7月2日)