RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


32年の歴史に幕 横浜リハウスが「解散式」


「解散式」後の記念撮影(横浜マリンタワーで)

 

「新会社は湘南と横浜のいいところを引き継ごう」小野社長

 三井不動産販売は7月1日付けで首都圏リハウス関連子会社を再編成するが、そのうちの一つとして湘南リハウスと横浜リハウスを統合、新会社・三井リハウス湘南横浜を設立した。新会社設立に伴い湘南リハウスと横浜リハウスはそれぞれ6月30日に解散した。

 記者は、新会社への移行に伴い30日夜、横浜マリンタワーで行われた横浜リハウスの「解散式」を取材した。参加者は約130人。契約のため欠席した2名を除き全社員が参加。新会社の社長に就任する三井不動産販売執行役員・林達哉氏や歴代の社長も来賓として出席した。

 解散式で自ら司会役を務めた小野正文社長は「32年間、みんな頑張って会社を成長させてきた。これからは湘南リハウスと双方のいいところを引き継いでネットワークの中でいい成績を残そう。今日は、新しい会社に生まれ変わるけじめとして解散式を設けた。お疲れさま」と挨拶。約2時間にわたってスライドなどで同社の歴史などを紹介した。小野社長は新会社の専務取締役を務める。

 同社は昭和52年2月4日、創業社長の故佐藤行雄氏や三井不動産、三井不動産販売関係者らが「横浜住販」として設立。全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が、大手資本を背景とした仲介会社の設立は中小・零細企業の事業分野を侵食するものとして猛反発する中でのスタートだった。

 解散式に出席した2代目社長高橋利朗氏(現東葉コーポレーション社長)は「これも時代の流れ」と語り、3代目社長の物井昭夫氏(現サンロクマル社長)は「流通の近代化を旗印に業界をリードしてきた。感無量」と語った。4代目の社長で、今回の三井不販の子会社再編によって三井リハウス西東京の副社長となる田中鑛一氏(杉並リハウス社長)は「一つの時代の終わりで、一つの時代の始まり」と感想を語った。田中氏は吉祥寺リハウス時代からの小野社長の元上司。

 新会社の社長に就任する林執行役員は「新会社は双方の強いところ、いいところを継承していく。双方とも三井不販の営業の強さの原点を持っている会社」と述べた。新会社は18店舗、スタッフ約280人の大所帯になる。本社は横浜市西区北幸一丁目 横浜天理ビル16階。

 
左から田中、小野、物井、高橋各氏

◇       ◆     ◇

 記者は4年前、RBAタイムズの取材で小野社長に初めてお会いしてすぐ好きになった。小野社長のように元気≠ネ社長とは、約30年間記者生活の中で数えるほどしかめぐり合えていない。

 既成の概念にとらわれないユニークな発想力で会社を伸ばしてきた。男女の差別を一切行わず女性を重用したりおちこぼれ≠再生させたりするマネジメント力が突出している。若い頃、苦労したのが大きな財産になっており、ほとばしるエネルギーの源泉だ。

◇       ◆     ◇

 小野社長はスタッフ10数人と解散式が終わってから会社が消滅する30日の24時のカウントダウンまで 1 階の店舗テラスで歓談した。契約のため解散式に参加できなかった二俣川店の野口瞬氏やその上司・塩田悟副店長を招き、新入社員を同席させた。野口氏が契約を終えたのは午後9時。同社最後の契約者として記憶に残ることとなった。

 小野社長は、全社員から贈られたブルガリのネクタイ(確か格子入りの派手な黄色)、ゴルフ用のポロシャツと帽子・パター(小野社長のスコアは95〜105 だとか)、名刺入れ(小野社長を始め同社のスタッフは月間100〜200枚の名刺を使用するという)などを嬉しそうに眺めていた。  

       
女性社員から花束を贈られる小野社長          林新社長を紹介する小野社長           

(牧田 司 記者 7月2日)