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マンション業界 この1年間で「棚卸資産評価損」1兆円?

 

 昨日の14日で、不動産会社の3月期決算がほぼ出揃った。厳しい環境を反映し、一部を除き軒並み大幅な減収減益となった。一昨年のサブプライムローン問題、昨年のリーマンショックが市場を直撃した結果だ。

 収益の足を引っ張ったのはマンションなどの開発事業だ。前期は、高値で仕入れた用地の販売時期にあたり、しかも建築費の上昇などで売上原価が上昇、その一方で市場の激変に見舞われた。各社とも平成19年度税制改正による「棚卸資産の評価に関する会計基準」(平成20年4月1日以後開始事業年度から適用)の変更によって多額の棚卸資産評価損を計上した。

 そこで、主な会社の棚卸資産評価損をまとめた。一部、3月決算でないところもあるが、紹介した上場39社の評価損合計は3,996億円に達した。39社のマンション市場占有率は4〜5割ぐらいとみられ、業界全体では8,000億円〜1兆円の評価損が発生していると見られる。

主 な上場会社の棚卸資産評価損計上額

棚卸資産評価損 (億円)
売上高(億円)
  備 考
野村不ホールディングス 269 4,486
三井不動産 158 14,189  
三菱地所 73 9,426   前期は145億円計上
平和不動産 101 488
東京建物 54 2,700   21年12月期第1四半期
東急不動産 101 5,743
住友不動産 137 6,952    
有楽土地 124 804
大 京 434 3,516   効果てき面 在庫整理進む
明和地所 198 334
ゴールドクレスト 7 642
ジョイント・コーポ 349 1,195   下期だけで900戸契約 
東栄住宅 81 993
日本エスリード 7 314
飯田産業 2 1,060
日神不動産 83 293
アーネストワン 35 1,505
タカラレーベン 105 577
フージャースコーポ 91 484
サンシティ 89 338
ランド 58 457
NTT都市開発 79 1,442
サンフロンティア不動産 29 268
アトリウム 67 714
セントラル総合開発 52 512
グローベルス 31 119
インテリックス 8 374   21年5月期
総和地所 5 62   資産も前期101億円が32億円に
アーバネット 16 96   21年6月期予想
コスモスイニシア 612 1,915   簿価切 り下げ412億円含む
新日本建物 66 563
サンウッド 24 230
明豊エンタープライズ 27 645   21年7月期予想
和田興産 16 323
陽光都市開発 25 121
長谷工コーポレーション 103 5,055
細田工務店 97 349
ナイス 68 2,400
オリックス 115 2,700   不動産事業のみ
合 計 3,996

(牧田 司 記者 5月15日)