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住宅金融支援機構のまちづくり融資に相談殺到

中堅デベロッパー支援に日住協が奮闘


 業界紙の「住宅新報」が昨日(1月15日)、「住宅金融支援機構が、これまでの『まちづくり融資』を一部変更して実施している中小デベロッパー(資本金3億円以下または従業員300人以下)向け事業資金融資に、1月9日時点で2,101件の問い合わせが入った。その中で、具体的な相談事例として土俵に上っているのは209件(110社)。完成在庫を担保に他の金融機関からの借り換えにも応じるなど、不況感の強い中小デベロッパーの様々なニーズに対応する方針だ」と報じた。

 「まちづくり融資」の拡充策が打ち出されたのは12月15日で、受付が始まったのは22日から。土・日・祝祭日、年末年始は休業だから実質的な営業日は8日間しかない。この間に約2100件の相談が持ち込まれたのだから、これは相当な数だ。中小デベロッパーの窮状ぶりがこの数字に表れている。16日現在、約2.300件に達しているという。

 相談が殺到しているため、住宅金融支援機構は1月30日まで9:00〜17:00の平日の相談時間を9:00〜19:00まで延長し、土・日・祝祭日についても9:00〜17:00まで受け付けるようにした。

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 記者は、この制度拡充が発表されるほぼ1カ月前、日本住宅建設産業協会・神山和郎氏(日神不動産会長&社長)が「住宅ローン減税の拡充も結構だが、金融機関の貸し渋りを何とかしなければならない。業界団体としていま対応策について動いている」と語ったのを聞いている。「いま微妙な段階だから、絶対に書くな」と釘をさされた。

 もう時効だろうから書くが、「対応策」とはこの「まちづくり融資」のことだと思う。神山理事長は、新年1月 13 日に行われた同協会の新年賀会でも「年末に緊急対策としてまちづくり融資が発表された。これによって業界のムードもかなり変わってくると期待している」と語った。

 まちづくり融資を受けられる要件である@地域要件A事業要件B建築物要件−の3要件ともそれほどハードルは高くなく、ほとんどのマンションが該当するはずだ。問題は、その企業の財務力ぐらいだろう。

 現段階でこのまちづくり融資がどの程度効果を上げるか分からないが、一息つけるデベロッパーは少なくないはずだ。中小デベロッパーの救済に東奔西走した神山理事長を始めとする日住協の関係者に拍手喝采したい。

(牧田 司 記者 1月16日)