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1回では書ききれない魅力

大京「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」

外付けブラインド 現代版よしず


「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」完成予想図

 

 国の「平成20年度(第2回)超長期住宅先導的モデル事業」に採択された共同住宅3件のうちの一つ、大京「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」の記者見学会が4月23日行われた。

 物件は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩10分、横浜市青葉区美しが丘5丁目の一種低層住居専用地域に位置する地下1階地上3階建て全39戸の規模。専有面積は約58〜103平方b。価格は未定だが、坪単価は300万円前後になる模様。竣工予定は2010年3月15日。設計・監理は日建ハウジングシステム、施工は東鉄工業。

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 「超長期住宅」は、一般的に「200年住宅」と呼ばれているものだ。記者は、「200年住宅」などと言えば、200年も持つ住宅かと誤解されかねないので、そのような呼称はやめたほうがいいと思っている(実際の法律の文言にも一言も書かれていない)。

 このことはともかく、一言でいえば素晴らしいマンションだ。広報担当者も「何回でも結構ですよ」と言ったし、その通り、1回で書ききれないので何回かに分けよう。坪300万円は納得だし、事前反響も1000件を突破しているというから、この物件の魅力を訴えきれれば売れるはずだ。5月下旬から販売される。

 まず初めに、驚いたことから。全ての住戸ではないが、南向きで一番条件のよい5戸の100平方bのタイプ(おそらく億ション)にサッシの外側に横型ブラインドが設置されていた。リモコンで光を取り込む角度や昇降位置も自由にコントロールできる。分かりやすく言えば、普通の屋内用ブラインドを頑丈にしたものだ。これだと日射を 80 %カットでき、一般的な屋内用よりはるかに熱遮断率は高いという。

 これには驚いた。それもそのはずで、同社の商品企画担当者、首都圏事業推進第二部・中山雄生氏によると、ドイツでは一般住宅に取り付けられており、国の補助もあるそうだが、わが国ではほとんど普及していないという。中山氏は「本当はバルコニーに取り付けたかった」というが、そうした場合、容積率に算入されるかどうかの問題もあり、断念したという。

 問題は風対策だが、強風による破損などを防ぐため風速13メートル以上になると自動的に天井部分に収納できるようになっているというから凄い。

 全戸に設置していないし、共用部分に該当するので、同社によれば管理費として使用料金を徴収することになるという。掃除はやればできそうだが、これも業者に委託することになりそうだ。

 これを見て、記者は 葭簀( よしず)≠思い出した。いまは、本物のよしずなどほとんど見たことがないし、若い人は知らないかもしれないが、我々団塊の世代以上はよく知っているはずだ。ヨシの茎を編んですだれにしたもので、夏の日差しや人目をさえぎるため、軒先によく置かれていた。なかなか風情がある。

 外付けブラインドはよしずの機能と一緒だ。バルコニーに取り付ければ、冷房費の削減にもつながるし、バルコニーの利用方法も飛躍的に広がる。どう解釈しても容積率には算入されないだろう。是非ともわが国でも普及できるようにして欲しい。技術的には何ら問題なさそうだ。


外付けブラインド

(牧田 司 記者 4月23日)