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コスモスイニシア「コスモグラシア人形町」

こちらも圧倒的人気


「コスモグラシア人形町」

 

 並みの投資用物件とはレベルが違う

 先日は、コスモスイニシアの圧倒的な人気を呼んでいる「ザ・晴海レジデンス」を紹介した。コンセプトは異なるが、同じコスモスイニシアのコンパクトマンション「コスモグラシア人形町」もまた極めて好調な売れ行きを見せている。

 物件は、東京メトロ日比谷線人形町駅から徒歩3分、中央区日本橋富沢町に位置する10階建て全54戸の規模。専有面積は約40〜44平方b。坪単価は243万円。近く分譲される1期(8戸)の価格は2,598万〜3,248万円(最多価格帯2.800万円台)。建物は今年1月に竣工済。施工は大豊建設。

 1期分譲は8戸だから、まだかなり残っていると思われるかもしれないが、実際は逆だ。販売担当者によると「残りはほとんどない。4月完売を目指す」という。1期分譲をもって完売ということも十分ありうる人気物件だ。

 2月にモデルルームをオープンして以来、来場者は1週間に40件ぐらいあるという。「来場者は女性のほうがやや多いが、男性の来場者も少なくない」とのことだ。

 人形町駅圏のコンパクトマンションの供給事例は少なくない。相場は坪260〜270万円ぐらいだろう。早期完売の事例は少ない。デザインを重視するあまり(嫌味なものが多い)、設備仕様レベルが低く、そのバランスがよくないのが、苦戦の理由だと記者は見ている。

 この物件はどうか。物件名にグラシア≠ニついているように、同社のコンパクトマンションのブランドイニシアイオ≠ニは異なる。グラシア≠ヘ、事業用・投資用不動産開発を担当するアセットマネジメント事業部が展開する賃貸マンションシリーズで、今回もファンド向けに開発された。昨今の厳しい投資環境から分譲に切り替えられたものだ。これまで開発した16件のうち分譲は今回が初めてだという。

 だからなのだろう。坪243万円という価格設定は極めて慎重な値づけだ。価格を低く設定したために 40平方bで3000万円以下を実現した。コンパクトマンションがブームになった数年前の相場だ。人気が出るのも当然だ。

 懸念された基本性能・設備仕様のレベルも全く問題ない。販売責任者は「イニシアイオとはまた異なった分譲仕様ですから。出口(いかに高く売れるか)も大事ですが、投資家が安定的な収益を確保できる質を大事にしているのがわれわれの部署」と胸を張った。

◇      ◆     ◇

 記者がこの物件を見学したのは、立地、価格からして売れるだろうとは思っていたが、一番確認したかったのはイニシアイオ≠ニ比べレベルがどうかという点だった。投資用や賃貸用に開発された物件が分譲に切り替えられた事例をいくつか見ているが、ほとんど失望されるものばかりだ。「賃貸仕様は分譲仕様と比べレベルが低い」というのが記者の認識だ。

 この物件は、そうではなかった。分譲タイプではまずありえない洗面などの水周りには床段差があるが、これは床に配管を通す一方で、天井部分に小梁などを出さない配慮だという。ドラム式洗濯乾燥機を標準装備しているが、これも人気になっているという。

 このほか逆梁アウトフレーム、ハイサッシ、ワイドスパン、天井までの建具、リビング天井高 2500 ミリなどなど、一般的な賃貸仕様マンションとは全くレベルが異なる。

イニシアイオ≠ニグラシア≠ェコラボすれば素晴らしいマンションができそうだ。

(牧田 司 記者 4月13日)