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住宅ローンの審査の厳格化進む

国交省の調査裏づける

 

 健康状態や雇用形態、業種などを重視

 厳しくなった住宅ローンの審査――国交省が先ごろ発表した「平成20年度民間住宅ローンの実態に関する調査報告書」は、深刻化する不況の中で融資希望者の健康状態や雇用形態、業種、雇用先の規模を考慮する金融機関が増えていることを裏づけた。

 調査は、全国の金融機関を対象に昨年9月から10月にかけて行われたもの。報告書によると、長期・固定金利の住宅ローンの融資審査について「スコアリング方式を中心に審査を行っている」銀行は27.3%(19年度17.7%)で、「スコアリング方式により一部審査を行っている」銀行38.4%(同25.3%)とあわせ65.7%にのぼり、前年度の43.0%から22.7ポイントも上昇した。

 審査項目では、「完済時年齢」(99.3%)、「返済負担率」(98.5%)、「勤続年数」(97.1%)、「年収」(97.0%)、「担保評価額」(93.5%)などは従来とそれほど変化がないが(とはいえ前年度と比べると若干ポイントは上昇している)、「健康状態」が71.3%(前年度比6.0ポイント上昇)、「雇用形態」が44.7%(同5.7ポイント上昇)、「業種」が34.7%(同1.3ポイント上昇)、「企業規模」が22.5%(1.4ポイント上昇)などとなり、審査の厳格化がうかがい知れる。前年度と変化はないが、「カードローンなどの他の債務の状況や返済履歴」も84.9%と高い数値を示している。

 住宅ローンの審査の厳格化については、デベロッパーから貸し渋り≠フ声があがっている。銀行の立場もわからないではないが、審査を厳しくするなら、せめて国民を納得させる住宅ローンのリスク債権管理比率を積極的に開示すべきだろう。

 このほか調査では、足元の短期金利が低い水準で推移していることから、平成19年度は変動金利型の割合が27.8%(平成18年度16.1%)と急増したと報告している。

(牧田 司 記者 4月2日)