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突出したデザイン・設備仕様 だから売れる

モリモト「クレッセント船堀」


「クレッセント船堀」(完成予想図)

 

坪単価239万円 1カ月半で約半分を契約済み

 都営新宿線船堀駅から徒歩8分、坪単価239万円で93戸――このアクセスと単価と戸数を聞いて、この時期に売る自信のあるデベロッパーはどれぐらいあるだろうか――おそらくほとんどないだろう。ところが、極めて好調に売れているマンションがある。モリモトが分譲中の「クレッセント船堀」だ。

 物件は、船堀駅から徒歩8分、江戸川区宇喜田町に位置する11階建て全93戸。専有面積は約54〜108平方b。坪単価は239万円。設計・監理は日本エーコン一級建築士事務所、デザイン監修はプラネットワークス一級建築士事務所、施工は若築建設。竣工予定は平成21年2月中旬。

 昨年12月にモデルルームをオープン、今年2月から契約を開始しており、現在40戸が契約済みで、5戸に申し込みが入っている。

 1カ月半で分譲戸数の約半分を売ったことになる。記者は、いつものように見学する前に売り単価を予想した。同社マンションのレベルの高いのは承知しているが、坪単価は200万円を突破していても、せいぜい220万円止まりだろうと予想した。現地販売事務所で単価を聞いてビックリした。そして、その売れ行きを聞いてさらに驚いた。

 しかし、現地、モデルルームを見て納得した。デザイン、設備仕様が一般的なマンションと比べ突出していたからだ。

 まず現地。駅からのアクセスはメインストリートを抜けたところで、隣は公立中学校。用途地域は準工だが、嫌悪施設はないからまずまずだ。

 次にデザイン。冒頭の完成予想図でも分かるように、上層階に向って壁面が広がっているような錯覚を覚えるが、これはバルコニーの角度を15度だけ外側に傾斜をつけているためだ。そしてその外観もコンクリート打ち放しと6種のガラス素材を用いた斬新なものだ。これは西南西の道路側に面した開放廊下側のデザインで、東南東の外観はコンクリート打ち放しのバルコニーの横ラインが強調されたデザインになっている。

 モデルルームは、白と黒を基調にした都会的なデザインで、単身者、DINKS、ファミリー、熟年層などあらゆる層にうけそうなものだ。

 単にデザインが奇抜だけでは売れない。このマンションは床材も建具・家具もキッチン天板(人工大理石もセレクトできる)も全て天然石・木を採用している。人工だがレザー張りのドアも用意されていた。和室と洋室のほかに、和洋折衷の「ZA(座)ROOM」の提案もいい。現場の工事の進捗状況もリアルタイムで見れる映像も流されていた。

 この種のマンションで全て天然石・木が採用されている物件は、おそらくないはずだ。同社のレベルが違うというのはこのことだ。

 デザインが優れ、設備仕様がいいのは単価が高いから当然かもしれないが、それだけでは売れない。同社は、グレードの高いのを価格に反映させない工夫も施している。最上階住戸の2戸こそ100平方b超だが、その他のプランは50平方b台、60平方b台、70平方b台がほとんどだ。グロスは高くても5000万円台となっている。

 専有面積を圧縮気味にしてグレードを上げる――このような発想をするデベロッパーはそういないはずだ。専有面積を圧縮し、設備仕様を落とし、価格を下げる――それはそれで売れるケースもあるだろうが、みんながそれをやるからユーザーは益々離反する。

 モリモトを見習え≠ニは言わない。同社はもう10年以上も前から徹底した差別化を図っているからできるのだ。

 最後に、現地販売事務所の住宅事業本部・高品紀之氏の声を紹介しよう。高品氏は入社してまだ 2 年目だが、次のように語った。「市況が厳しいのは聞いている。私も他社だったら 1 年間持ったかどうか。どこにも負けない商品だから、自信をもってお客様に勧められる。現地とモデルルームを見ていただいたお客様のほとんどが納得される」と。


「ZA ROOM」(モデルルーム)

 

(牧田 司記者 3月21日)

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