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国政の喫緊の課題――地方の再生

観光都市・伊勢の再生はあるか A


参拝客で賑わう伊勢神宮(内宮) 今年1月4日撮影

「まちづくり交付金」制度の活用


  データは暗いものばかりだが、街の再生・活性化の取り組みがいま真剣に行われている。国の「まちづくり交付金」制度を活用した街の再生・活性化もその一つだ。

 「まちづくり交付金」制度とは、平成16年度に国が導入した制度で、都市再生特別措置法に基づき、市町村が策定した都市再生整備計画に記載された事業に対し交付金を交付するものだ。

 市はこの制度に基づき平成18年、約300ヘクタールもの「山田ルネサンスソーン」を策定。同22年度まで43億円(うち国の補助金17億円)を投じ、伊勢市駅南側広場や観光交流機能の整備を始め、民間事業の立ち上げ支援、暮らしの支援、NPO活動など市民活動の支援を行う。この事業と連動する「伊勢市駅前再生検討委員会」が一昨年に設けられ、これまで数回の会合が開かれている。


伊勢神宮外宮参道

たぐい稀な歴史と伝統に培われた伊勢のまち

 会合では、再生・活性化のためのキーワードとなりそうな声が数多く寄せられている。@たぐい稀な歴史と伝統に培われた伊勢のまちA品格ある心のふるさとB伊勢に1万人程度の集会する施設が欲しいCおもてなしとか癒しの空間が欲しいDタクシーの運転手さんがガイド的な話をしてくれたE車で行くとなんの変哲もないことが、歩くとそこに新しいものがあるといった仕掛けF市民が観光客の目線に立って、観光客と連携して街づくりを進めるG伊勢おもてなし会H商業施設の衰退の一番大きな原因は駐車機能がないこと――などだ。

「都市計画の方向性を示す年」森下市長


仕事始めで職員に熱っぽく語る森下・伊勢市長(右の背景は伊勢市のシンボルマーク)


 森下隆生市長は1月4日、仕事始めの年頭所感で「今年は駅前整備計画、都市計画の方向性を明確にする年」として位置づけ、財政力の見直し・強化、市民力の結集、職員力の活性化の3つを掲げだ。「式年遷宮を間近に控え、伊勢は追い風を頂いている。市民の大きな期待に応えよう」と職員に呼びかけた。

 また、今年4月には伊勢と中部国際空港(セントレア)間を約1時間で結ぶ高速船が就航することから「海上アクセスのインフラも整備され、海外からも来ていただけるチャンス。職員は1人常時10枚ぐらいチラシを持ってPRしよう」と語った。

雨降って地固まる


伊勢神宮・内宮にある「おかげ横丁」の赤福本店

 歴代の首相や政党の代表が毎年、正月に訪れるのは伊勢だけだ。今年も1月4日、伊勢神宮内宮に福田康夫首相と小沢一郎・民主党代表が訪れた。

 江戸から明治の伊勢路の街並みを再現してヒットした「おかげ横丁」も終日賑わった。食品偽装問題で無期限営業停止になっている赤福については、地元の人も観光客も営業再開を待ち望んでいた。全般的に好意的な声が多かった。

 

(牧田 司記者 1月16日)

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