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セントレア−伊勢定期就航船 開業前に頓挫

 

 今年年初に当欄で「国政の喫緊の課題−伊勢市の再生−」を紹介した。その中で「今年4月には伊勢と中部国際空港(セントレア)間を約1時間で結ぶ高速船が就航することから(森下隆生市長は)『海上アクセスのインフラも整備され、海外からも来ていただけるチャンス。職員は1人常時10枚ぐらいチラシを持ってPRしよう』と語った」と書いた。 

 それから1カ月。そのチラシを全て配布しきる前に、就航が実現しない事態となった。

 地元紙の「伊勢新聞」が2月15日付記事で次のように報じた。

 「中部国際空港への海上アクセス港として、四月の就航に向け整備を進めていた伊勢市下野町の宇治山田港に絡み、森下隆生伊勢市長は十五日、同市役所で記者会見し、運航業者のセラヴィ観光汽船(四日市市、若杉譲二社長)から、事業撤退を伝える正式文書を同日午前、ファクスで受理したと明かした。市は同社に対する法的措置も検討しているという。
  撤退理由について、同社は文書で、原油の高騰により燃料価格が当初予定の約一・七倍に値上がりし、採算が見込めないことを挙げている。ほかに、グループ全体の事業再編も撤退理由として市に説明しているという」

 ターミナル施設の事業費は総額約6億4000万円。工事は8割ぐらい完成しており、完成後は月100万円程度の維持管理費がかかるという。

 セラヴィ観光汽船の持株会社のセラヴィホールディングスは、会員制リゾート事業売上高3位の「セラヴィリゾート泉郷」などを傘下に置き、平成14年には居酒屋チェーン「北の家族」を子会社化したことで知られる。平成19年のグループ売上高は368億円。

(牧田 司記者 2月18日)

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