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故・黒川紀章氏の遺作≠フ一つ 

クレアスライフ
「コンシェリア西新宿TOWER'S WEST」


「コンシェリア西新宿TOWER'S WEST」完成予想図

 

黒川氏がこだわったカスケードホール 高いクオリティ

 クレアスライフが近く分譲する「コンシェリア西新宿TOWER'S WEST」を見学した。

 都営大江戸線西新宿五丁目駅から徒歩6分、新宿区西新宿6丁目に完成した44階建て全612戸の規模で、分譲対象は28階〜44階の171戸。専有面積は約59〜113平方b。価格は未定。設計・監理は黒川紀章建築都市設計事務所、施工は大林組、販売は三菱地所リアルエステートサービスと藤和不動産。

 設計・監理が「黒川紀章建築都市設計事務所」とあるように、昨年亡くなられた黒川紀章氏の遺作≠フ一つで、これだけでも価値があるマンションだ。

 黒川氏がこだわったといわれるエントランス・ホール、カスケードホールを感慨深く見学した。ハイシーリングのカスケードホールの外にはもちろん滝が流れる庭が設けられており、小さなアクセントの窓にはステンドグラスも配されていた。

 記者は昨年10月12日、黒川紀章建築都市設計事務所が設計・監修した東京建物「 Brillia 鎌倉御成町」の記事を書いた。黒川紀章&マーク伊東氏 東建が鎌倉で億ション(10/12)

 黒川氏はその日の朝に亡くなられており、記者は黒川氏の悲報をその日の夕方に知った。黒川氏はマンションの設計はそれほど多く手がけていらっしゃらない。この「 Brillia 鎌倉御成町」と「コンシェリア」が遺作となった。残念ながら2つの物件の完成を見られない前に亡くなられたわけだ。

 基本性能、クオリティも高い。逆梁ハイサッシ、二重床・二重天井で、スラブ厚は約300ミリ。天井高は約2600ミリ。高層階住戸のモデルルーム(113平方b)は、玄関や廊下など居室以外の床が天然石張りで、建具・家具扉なども天然木を採用。オプションだが、西陣織のタペストリーも飾られていた。

 事例がないので、他の物件との価格の比較はできないが、坪単価は相場並みだろうし、高層階住戸は設備仕様を考えたらむしろ割安だろう。JR新宿駅も徒歩圏であり、完売まで時間はかからないと見た。


故・黒川氏がこだわりを見せたというカスケードホール(左)と滝の庭園(パンフレットから)

地上げに翻弄された西新宿6丁目一帯

 参考までに、同地について紹介しておこう。記者はバブルの発生から終焉まで、この西新宿6丁目一帯の地上げを取材したことがある。何度も現地に足を運び、登記簿の閲覧もして取材した。地上げが始まった昭和50年代後半の地価は坪200万円、300万円台だった。平成元年の頃、ゼネコンのF社に売ったときは坪3000万円だった。狭小敷地は坪1億円以上していた。地上げはM恒産が主導した。国土法に違反して売買されていたのもうすうす知っていた。

 あれから20年、西新宿は超高層ビルとマンションが林立、摩天楼を形成している。

 

(牧田 司記者 2月26日)

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