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企業格差″Lがる一方 第3四半期業績

大手デベロッパーは軒並み好調に推移

 主なデベロッパーの平成20年3月期第3四半期の業績がまとまった。予想されたことではあるが、大手デベロッパーは軒並み業績を伸ばし、中堅・新興デベロッパーは一部を除き厳しい内容となった。

 三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産ホールディングス、東京建物は、極めて順調に業績を伸ばしている。三菱地所は前年同期比で減収減益となったが、想定内の数値だ。業績が悪化したということではない。

 各社とも好調なのは、賃貸部門が順調に推移しているほか、分譲部門は決算計上する物件はほとんどか2年前、1年前に分譲されたもので、好調な売れ行きを背景に好決算は当然視されていた。

 マンションデベロッパーの大京、コスモスイニシア、ゴールドクレスト、藤和不動産、日本綜合地所、ランド、プロパストなども順調。

厳しさ増す戸建て・新興デベロッパー

 厳しいのは戸建てとマンション事業を展開しているところ。飯田産業、東栄住宅、アーネストワンなどが冴えない。戸建てもマンションも事業戦略、商品企画の見直しが迫られている。戸建ての不振をマンションでカバーしようと、郊外・遠隔立地を進めたのが裏目となった。

 そんな中で好調なのが新日本建物。このところ流動化事業に力を入れているのが結実しているが、マンションも大手デベロッパーとの共同事業で伸ばしており、商品企画もよくなっているのか増収増益につながっているようだ。

 ジョイント・コーポレーション、サンフロンティア不動産など再生事業や流動化事業に特化しているところも好業績を維持している。

 NTT都市開発、平和不動産、サンケイビルなど賃貸、分譲のバランスがいいところも堅調だ。

 新興デベロッパーは苦しい。ジャスダックに上場して間もないノエル、総和地所、陽光都市開発、アーバネットコーポレーション、シーズクリエイトなどは一転して大幅減益になった。ダイナシティ、ダイア建設なども厳しい。

 中堅デベロッパーは、分譲物件の事業サイクルが比較的短く、市況の変化を受けやすい体質にあるのもその一因だ。仕入れや建築費の支払いにより借金が増え、売れないからまた借金するという悪循環に陥っている。

 運転資金を借り入れる際に、個別物件の3カ月ごとの販売目標を設定させられ、その条件をクリアしないと借り入れ契約を一方的に破棄するという屈辱的な特約を銀行から突きつけられたところもある。

 企業格差≠ェ一層広がっている。

 

(牧田 司記者 2月8日)

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