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オリックス不動産 「かんぽの宿」事業譲り受ける

 

総客室数4.200超の国内最大規模の温泉旅館ネットワークに

 オリックスとオリックス不動産は12月26日、オリックス不動産(西名弘明社長、2009年1月1日より山谷佳之氏が就任)が日本郵政の「かんぽの宿」の事業譲渡先に選定されたと発表した。譲り受けるのは「かんぽの宿」など全国70施設と社宅9施設。2009年4月1日付で譲り受ける予定。オリックス不動産調べでは国内最大規模の温泉旅館ネットワーク(総室数4,200超、年間宿泊者数250万人超)となる。

 譲り受ける額については、「公表できないが、まあまあの額。当社として多額でもないが、少額でもない」(オリックス広報)としている。オリックス不動産はこれまで「杉乃井ホテル」(別府)、「御宿東鳳」(会津若松)、「ホテルミクラス」(熱海)、「鳴子ホテル」(鳴子)の再生事業に取り組んでいるほか、研修施設、水族館、ビジネスホテル、高齢者向け介護施設、京セラドームなどの施設運営を手掛けている。

 これらの運営で蓄積したノウハウを「かんぽの宿」の運営に生かしていくとしている。オリックスグループの主要顧客である全国50万社の中堅中小企業への新しい福利厚生プランを提案するほか、現在110万人を超える「かんぽの宿メンバーズ会員」向けに新たなリテール商品・サービスの提供も可能としている。

 さらに、全国36カ所でゴルフ場を運営するオリックス・ゴルフ・マネジメントと提携するほか、全国でレンタカー829店舗を運営するオリックス自動車とも連携する。将来的にはカーシェアリングのサービス提供などエコツーリズムの普及にも寄与したいとしている。

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 このニュースを聞いてビックリした。

 記者は昨年、リゾートマンションの取材で熱海に行ったとき、「ホテルミクラス」が人気になっていることを聞いた。早速、同ホテルを訪ね、客室などを見せて欲しいと頼んだが、突然だったため断られた。同社がホテルの再生に取り組んでいることなど全然知らなかった。

 今回の事業譲り受けがどのような展開を見せるか分からないが、これまでにない大きな事業になる予感がする。記者は「かんぽの宿」に泊まったことがあるのかどうか分からないぐらい印象がない。つまり、現場のスタッフはともかく、事業者は顧客のことなど全然考えていない施設だったのではないか。しかし、施設の立地条件も玉石混交≠ネのだろうが、立派な施設であることは容易に想像がつく。

 オリックスといえば、どちらかといえば「B to B」の企業イメージだが、最近はマンション事業など「B to C」の事業にも力を入れている。近い将来「B to B+C」の大企業になるのではないだろうか。

(牧田 司 記者 12月26日)