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ダイア建設が民事再生法申請 負債額は300億円

 

 ダイア建設は12月19日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申し立てを行い受理されたと発表した。負債総額は300億円。

 同社は昭和51年、大京観光(現大京)出身の故・下津寛徳氏が五光住宅として設立。翌年には現商号のダイア建設に商号を変更。「ダイアパレス」マンションを全国展開して事業を拡大、内山田洋とクールファイブのCM「東京砂漠」がヒットした。平成元年、東証二部への上場を果たした。平成3年3月期売上高は2300億円を突破した。

 しかし、バブル崩壊後は多額の不良資産を抱え、業績低迷が続いた。平成15年、産業再生機構の支援第一号となり、金融機関から1300億円を超える債務免除を受けた。寛徳氏の実弟で、当時の下津一三社長が経営責任をとって退陣した。

 その後、レオパレス21がスポンサーとなり再建を進めていたが、昨夏のサブプライムローン問題以降は急激に業績が悪化。平成20年3月期は売上高401億円に対し31億円の経常赤字を計上した。今年3月には管理会社など3社を売却して事業資金を捻出した。

 4月にはプロパーの加治洋一氏が社長に就任したが、9月のリーマン・ショック後は極端な販売不振に陥り、資金繰りが厳しくなったことから今回の措置となった。

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 メインバンクだった日債銀の破綻から同社の悲劇は始まった。

 その後、新たなメインバンクとなったりそな銀行主導のもとサーベラス、産業再生機構、レオパレス 21などと資本提携・支援を受けてきたが、ダイアパレス<uランドは浮上することはなかった。

 振り返れば、創業者の故・下津寛徳氏が元気だった上場前後が絶頂期だった。建築家の故・黒川紀章氏や服飾デザイナー・山本寛斎氏を起用したマンションでも話題となったが、記者は、バブル時に姉ヶ崎などの内房線で大型マンションを続々供給し、早期完売したのが強烈な印象として残っている。駅近などではなく、バスで10分、20分のところだった。戸数も100戸、200戸だった。

 近年はSIマンションや「?マンション」などを供給していたが、既存のデベロッパーと新興デベロッパーの挟撃にあい、競争力が低下していた。

(牧田 司 記者 12月20日)