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東京建物の「Brillia 大和郷(やまとむら)」 
坪単価500万円超の高額でも大健闘


「Brillia 大和郷(やまとむら)」完成予想図

 東京建物の「Brillia 大和郷(やまとむら)」を見学した。一昨日行われた同社と東京建物不動産販売合同の記者懇親会で、同社常務取締役住宅事業本部長・柴山久雄氏から「この時期によく健闘している。半分売れている」という話を聞いたのがきっかけだ。  

 物件は、 JR 山手線巣鴨駅から徒歩6分、または駒込駅から徒歩9分、文京区本駒込六丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する地下1階、地上4階建て全26戸の規模。専有面積は約61〜154平方b、価格は8.000万円台〜3億3.390万円。坪単価は1階が400万円前後、最上階は700万円で、平均で500万円を突破する高額マンションだ。設計・施工は三井住友建設。

 9月から分譲開始しており、最高価格の住戸やメゾネットタイプ(4戸)を中心に約半数が売却済みだ。購入者には、このような低層のマンションを待ち望んでいた人が多いという。

 物件名に大和郷≠ニ名づけられているように、大正11年、岩崎家3代目久弥が一般に開放した土地で、都内屈指の低層高級住宅街だ。1区画100坪、200坪の邸宅がほとんどだ。

 このような立地にふさわしく、外観、共用部分、専有部分に至るまで重厚で落ち着きのあるデザインにしているのが特徴だ。モデルルームは134平方bのタイプで、大理石、御影石の自然石やチェリー、メイプル、オーク、ブビンガなどの床材・建具を採用。壁面・建具などにはアートライン仕上げと呼ばれる凹凸をつけたデザインがアクセントとして用いられている。浴室の床も天然石だ。

 二重床・二重天井だが、スラブ厚は250ミリで、ふところ厚は床が130ミリ、天井が120ミリ確保している。

 「新たな中期計画を2月までに策定」 畑中誠社長

 記者懇親会では、畑中誠社長は、「サブプライムローン問題をきっかけとする世界的な金融不安、円高、株安などの負の連鎖で急激に経済が減速している。当社も減収減益を余儀なくされた。昨年を初年度とする当社グループの中期3カ年計画の達成は困難となった。このため、来年度を初年度とする新たな中期計画を策定中で、来年2月には公表したい。

 しかし、オフィスの空室率は2.7%の低い数字で推移しており、マンションも価格がリーズナブルな物件は時間が要するがお客様はついてきてくれている。都市開発も順調で、伊勢崎の『マークス』は11月22日オープン3日間で17万 5000人の来場があった。来年以降は大手町、日本橋、大崎などのビッグプロジェクトが控えている。内需振興のーには不動産開発が重要」などと述べた。

 東京建物不動産販売の井上克正社長は、「不動産流通業も日を追うごとに悪化している。当社も減収減益の見込だ。しかし、個人仲介は前年並みを確保できそうで、賃貸管理戸数は約1万2000戸で、20%増加しており、有望な分野になりつつある。実体経済はむしろこれから悪化するが、朝のこない夜はない。お客様満足度ナンバー1企業を目指し、来るべき朝に備える」と語った。

 また、東京建物・南敬介取締役会長は、「今回はバブル崩壊時の不動産と金融セクターだけでなく全産業の底が割れるなど事態は深刻だ。どうしても激変緩和措置と思い切った投資減税が必要」と述べた。

(牧田 司 記者 12月5日)