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今もっとも元気なデベロッパーはアンビシャス


「アンビシャス松戸六高台」完成予想図


「アンビシャス松戸六高台」でサークルリビング提案

 いまもっとも元気な中堅デベロッパーは? ≠ニ聞かれたら、記者は真っ先にアンビシャス(安部徹夫社長)を上げる。最悪のマンション市場の中で着実に在庫を減らし、新規供給を続けているからだ。中堅デベロッパーにとって希望の星≠ニいってもいい。

 同社は前々期に約550戸、前期に約450戸のマンションを供給している。このうち売れ残っているのは、前期供給分の十数戸だという。これだけ供給して、この程度の在庫しかない中堅のデベロッパーなど皆無だろう。新規物件の用地取得も行っているとのことだが、いま用地を仕入れできるところなどほとんどないのではないか。

 もちろん、昨夏のサブプライムローン問題が表面化して以降、同社も苦戦を強いられた。やむなく値引き販売も行った。それでも「損切り物件はない」と安倍社長はいう。

 なぜこの時期でもこれだけの成績が残せるのか。それは商品企画と販売力に尽きる。供給エリアは決して販売が楽な地域ではない。都内多摩地区、埼玉・千葉の郊外エリアの、どちらかといえばマイナーな地域が圧倒的に多い。大量の売れ残りを抱えれば致命傷にもなりかねない地域だ。

 しかし、同社が賢明だったのは、リスクの大きい大型物件を避け、30〜50戸程度に抑えてきたことだ。その地域の潜在的な需要を掘り起こせば何とかなる戸数ばかりだった。

 商品企画・デザインは、記者の目からするとまだもの足りないが、中堅デベロッパーでは水準以上なのは間違いない。設計に日建ハウジングシステムを起用し、3メートル天井高を実現した物件もあった。ランドスケープが抜群の物件も供給した。大手デベロッパーと競合して負けなかった物件もあった。

 販売力は業界トップクラスであることは業界では常識だから詳述は避けるが、全社あげて半期で100戸ていどしか売れないとか、大手の大規模物件でも月に数戸しか売れない現状を考えれば、同社の販売戸数は突出している。

 さて、その同社が分譲を開始したマンションは「アンビシャス松戸六高台」だ。東武野田線六実駅から徒歩12分の全114戸だ。坪単価は130万円。

 同沿線では、大手、中堅がかなりのマンションを供給しているが、完成して1年、2年経過しても大量の売れ残りを抱えているところも少なくない。値引きも日常茶飯だ。ましてや千葉は、大手の好立地マンションですら年間100戸を売るのが容易でない地域だ。

 常識的に考えれば苦戦は免れない。そこで同社が編み出したのがサークルリビング≠フ提案だ。リビングを家族の生活の中心と位置づけ、LDKの充実を図ったことだ。モデルルームでは2列キッチンカウンタートップを提案している。幅 2.7 メートルと3メートルのキッチンカウンターとミセスコーナーも設け、天井の出っ張りをなくしたものだ。料理好きの主婦が飛びつきたくなるようなキッチンだ。 スロップシンクを洗面室に設けたインナースロップシンクの提案も行っている。

 デザイン監修は、かつての不況下で次々とヒット作を供給した日本ランディックの一連の設計を担当した碓井民朗氏だ。

 ある会社の社長は「今でもミスター大京≠ヘ安倍さんだと思っている」と語った。絶好調時の大京のDNAを引き継ぐ安倍アンビシャス≠ノエールを送りたい。

  起て 飢えたる者よ 今ぞ日は近し さめよ 我が同胞 暁は来ぬ =|−記者より歳上の安倍社長はこんな歌(インターナショナル)をご存知だろうか。


サークルリビングの提案

(牧田 司 記者 12月5日)