ワンズの「初回面談ロールプレイ研修」を体験取材
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ワンズ(牛迫敬太社長)の不動産売買営業社員を対象とした「初回面談ロールプレイ研修」を体験取材した。 ロールプレイ研修とは、様々な接客シーンを想定して営業担当者とお客様役が模擬的に役割を演じることで、「コミュニケーション能力」と「ヒアリング能力」「プレゼンテーション能力」を体得できるトレーニングのことだ。同社は、厳しさを増す不動産市場の中、本物の顧客思考をもった営業マンを育てることが急務と判断し、この11月から研修をスタートさせた。講師は、居住用仲介1億円プレイヤー≠フ中澤明子さんだ。 中澤さんは同社常務取締役不動産事業本部長を務めているが、前職の不動産会社勤務時代、日本最大の不動産フランチャイズチェーン「住通チェーン」(現 : イーアールエージャパン)のセールスコンテスト「 Champion &Challengers 」で97年から00年まで4年連続して売買営業最優秀成績者に贈られる「グランドチャンピオン」を受賞。4年連続ERA国際ネットワーク優秀成績者として表彰されている。 体験取材の目的は、1億円プレイヤー≠フ中澤さんの接客を生で体験し、営業の真髄を探ることにあった。以下、記者が感じたことを紹介する。 ただ、記者は、およそ営業≠ネる仕事には一度も携わったことがないし、営業職とは対極の人間だと考えている。営業について何も分からない人間が書くことだから、全く的外れなことかもしれないし、ごく当たり前のことかもしれないことを断っておきたい。 今回の受講者は、会場のワンズ横浜西口本店(横浜市神奈川区鶴屋町)まで2時間かけてやってきた「中澤さんのファン」という東京・多摩地域の不動産会社社長さん(58)とその会社の女性営業担当者。 お客様役を演じたのは同社取締役上席執行役員研修部長・佐竹義男氏。 社宅に住んでいる30歳代のサラリーマンで、お子様が一人いるお客様を設定。希望条件は、土地を購入して注文住宅を建築するか、ある程度妥協して建売住宅にするか迷っているという条件設定だった。 ●中澤さんは100%紹介客 面談は1時間半から2時間 研修時間の都合上、 お客様役を演じた佐竹氏と30〜40分のやり取りの中で、中澤さんは自らの経歴、プロフィールをしっかり お客様に 伝えた。「私のお客様は100%紹介」にはじまり、どのような仕事をしてきたかを話した。「お客様と共同作業で探しましょう。折込などで気にいった物件がありましたら、まず私にお電話ください」とも話した。 お客様の面談は、事前にアポを取る際に「大切な財産のご相談のため、1時間半から2時間くらい、お時間をいただきたい」と伝えるそうだ。 ●コメントつき物件紹介 中澤さんは「一方的にチラシ だけを どんどん送りつけるような 営業は しません。 紹介物件は、事前に必ず下見をした物件を送ります。チラシ、住宅地図、物件と周辺環境の写真、生活インフォメーション、物件の 長所と短所を明記したコメントをつけてお送りします」と語った。 「チラシだけを見てお客様が判断できるはずがない」 「プロとして当たり前のこと」とも語った。 (記者はこれまで5〜6回、実際にマンション購入者として営業マンと接したことがあるが、長所、短所を明記したコメントなどもらったことがない⇒私の場合、聞かなくとも分かるが) ●年収を聞く場合は、聞く理由をきちんと伝える 中澤さんは「年収をいきなり聞くことはしません。 先ずは住宅ローンを組む予定があるか確認します。組みますと答えれば、では住宅ローンに必要ですので、年収・自己資金・勤務先などを教えて下さい」 とはっきり聞きます。「よろしければ≠ニかさしさわりがなければ といった言葉は一切使いません。不動産を購入するお客様には、必要不可欠な質問だからです。 年収を聞く理由を伝えないから、不動産会社は敬遠されるのです」 (記者も同感だ。マンションの販売現場などでは、態度は慇懃だか、年収はもちろんお客様のあらいざらいを記入するアンケートに答えなければ見学させない極めて無礼な態度をとるのは解せない) ●仲介手数料をまけてとは言わせない 「私は、 仲介手数料をまけて欲しいと言われたことはありません。不動産業務の内容をお客様にわかりやすく伝えれば、 むしろ手数料は安いと思っていただける」「お客様と営業担当者は対等の立場。対等の立場ですから、フィーを頂くのは当然のことです」 (これは凄い! ここまで自信を持ってお客様と接することができるからお客様からも信頼されるのだろう) ●全部書面でやり取りする 中澤さんは、面談しながらメモをたくさん取った。1時間半も話すとA4のメモ用紙 何枚かが びっしり埋まるという。そして、そのメモをコピーしてお客様に渡す。「言った、言わなかった のトラブルを なくすためです」 ●情報の共有化 「私が留守の場合でも、スタッフに伝えてください。 当社は情報の共有化ができていますので、営業スタッフもお客様をご存知です。お客様を知らないことはあり得ません」 中澤さんは、お客様の情報をきちんと穴開きファイルに保存するという。「ほとんどのお客様は7〜8年後に、必ず戻ってこられますから」 ●2カ月に一度DMを送付 クレームなし 「私は2カ月に一度、お客様にDMを送っています。 四季折々台紙をかえた挨拶状を添えます。 困ったことがあったら電話ください≠ニ。 私はクレームのない営業マンです。所在が明確なので、些細なことはきっとお客様が我慢してくれるのでしょう。なぜなら何かあったらすぐ飛んでいく営業マンですから」 ●できない約束はしない 「私は初心忘れず≠ナ15年間やってきました。やることをきちんとやる。テングにならない。時間はきちんと守る。できない約束はしない」 (中澤さんと受講者との懇談の場で 話し合われた ことだが、「最近の営業マン は 質が落ちている」という 話しが出た。 「電話の対応が悪い。最初はハイ、○○でございます≠ニ丁寧な対応をするのに、同業だと分かると、とたんに横柄な態度を取る。トーンが下がる」 「知識や知恵が乏しい」「言葉遣いが悪く、態度が横柄で素直さがない」「知ったかぶりを平気でする」など) ◇ ◆ ◇ |
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(牧田 司 記者 11月27日) |