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 東京建物 「SMARK (スマーク)」20日オープン


「SMARK (スマーク)」外観

北関東最大級 地域活性化に大きな期待 

 東京建物は11月20日(木)、群馬県伊勢崎市の郊外広域商圏型ショッピングセンター「SMARK (スマーク)」をグランドオープンする。オープンに先立つ17日、プレス説明会&内覧会を開いた。

 「スマーク」は、 JR 両毛線伊勢崎駅北東約3.5km、北関東自動車道・伊勢崎 ICから約2.5km の距離にあり、国道17号線(上武道路)や県道68号線(桐生伊勢崎線)の広域幹線にも接道。敷地面積は約10万平方b、建物は3階建て(一部5階建て)延べ床面積約11万平方b、店舗数は185 (物販118、飲食40、サービス27)の北関東最大級、同社初の郊外型商業施設。敷地は期間30年の賃借。運営管理は同社の子会社・プライムプレイス(乾武生社長)が担当する。

 コンセプトは、“ゴキゲンなくらし”(発見がある。満足がある。オトク感がある)。「ここに来れば、誰もがみんな笑顔にあふれ、1日中楽しめるコミュニケーションタウン」として、「3世代親子」が買物を楽しめる新しいライフスタイルを提案する。

 外観は、デザインにフェルナンド・バスケス氏を起用。メインエントランスに伊勢崎かすりをイメージした全長約120メートルの大ひさしを設けているほか、上毛三山(妙義山、榛名山、赤城山)や利根川など県内の自然や文化をデザインに取り込んでいるのが特徴。

 中央メインエントランスの正面敷地には、家族や地域の人々が集える4つの憩いの場を設け、環境に配慮した日本最大のモニュメント型風力発電機も設置している。

 店舗構成の特徴は、フロア毎の両端に核店舗となる大型テナントを配置し、中央のモール部に専門店を配置した2核1モール型で、県内初出店61、県内最大規模14を含むファッション、キッズ、ファミリー、アクセサリー、ファッション雑貨、飲食、エンターテイメントなどから構成。核テナントにはシネマコンプレックス「プレビ劇場」、スポーツクラブ「RIO スポーツクラブ」、県内初出店となるアジアン雑貨「Lega (ルガ)」、生活雑貨「AtEase (アットイーズ)」、県内最大規模の「ユニクロ」、市内最大規模の「くまざわ書店」など。

 説明会で挨拶に立った同社・畑中誠社長は「施設は、群馬県6市の中心に位置する高密度商圏にあり、産業集積も活発で、北関東自動車道が全線開通予定となっているなど利便性も期待できる。発見がある。満足がある。オトク感がある≠コンセプトに、デザインには群馬県の自然と歴史を取り込み付加価値の高い施設を造った。約2.800人の雇用機会も創出した」と語った。

 年間売上目標は250億円以上、年間来館者1.100万人以上。


挨拶する畑中社長

◇    ◆    ◇

 店舗などについては全然分からないが、フェルナンド・バスケス氏デザインのマンションや商業施設はこれまでもたくさん見てきた。今回も、カラフルでアースカラーの色使いが見事だった。ウイング型の外観デザインとエントランス部分のガラスファサードもいい。

 記者がもっとも注目したのが地方の活性化≠セった。地方都市の中心市街地がさびれ、このような郊外型の商業施設が流行るのはモータリーゼーションの発達がもたらしたものだろうが、それにしても年間来館者が1.100万人以上、年間売上高が250億円以上、就業者人口が約2.800人とは驚きだ。おそらく群馬県内でこれほどの賑わい≠創出する施設はそうないはずだ。

 それだけに関係者の期待は大きい。

 1階正面には地元企業のファッション店「PENNY RAIN 」(本社・桐生市)と「カルソン コンポ」(同・前橋市)が並んで出店している。前者の担当者は、「これで10店舗目。これまでは路面店舗ばかりだったので、このような店舗は初めて。集客に期待している」と語り、後者の担当者も「新しい顧客の開拓につながるはず」と語った。このほか関係者は口々に「地元の活性化に期待したい」と話した。

 地権者にも話を聞いた。以下、記者とのやりとり。(もとは何だったんですか)「田んぼだよ」(地権者は何人)「47人かな」(田んぼじゃ食えないし、売っちゃったら二束三文では)「そんなことはないよ。土地は賃貸。期間は30年。地価は、このおかげで周辺も値上がりしているよ」(儲かりますか)「どっちが? 」(両方じゃないんですか)「そう、みんな儲かって、元気よくしたい」

 どのような地代設定になっているか分からないが、わが国の農家の1.000平方メートル当たり年間生産高は数万円にしか過ぎない。地代収入はけた違いだろう。東京建物も地権者も地元関係者もみんな儲かって欲しい。

  
ショッピングモール内           いかにも群馬の店らしいレトロなラーメン屋

     
地元企業が出店した「「PENNY RAIN 」(左)と「カルソン コンポ」

  
大ひさしとガラスファサードが特徴のエントランス                  風力発電機

(牧田 司 記者 11月18日)