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 日本ERI 業績が大幅改善 増収増益へ上方修正

 

 ジャスダック上場の日本ERIは11月11日、平成21年5月期の第2四半期(平成20年4月1日〜9月30日)決算を発表した。売上高は46億700万円(20年3月期第2四半期比67.7%増)、営業利益は2億 7600万円(前年同期は5億2900万円の営業赤字)、経常利益は2億8500万円(同5億2100万円の経常赤字)、純利益は3億8100万円(同6億5800万円の純損失)となり、増収増益となった。

 業績が大幅に回復した理由として同社は、@新設住宅着工数が第1四半期には対前期比△11%と減少したが、平成20年7月には、対前年同月比+19%、8月には+54%の高い伸びを見せたA全国30拠点のサービスネットワーク体制及び高い業務品質と充実したサービスメニューを武器に『ERIブランド』を確立し、技術的評価を高めることによって他機関との差別化を図ったB平成19 年9月と平成20年3月に確認申請手数料の値上げを実施したこと――などを上げている。

 通期業績予想でも、売上高109億3500万円(前回発表時比3.8%増)、営業利益6億2900万円(同0.8%増)、経常利益6億3600万円(同2.4%増)、当期純利益5億9300万円(同22.3%増)へ上方修正した。

 この結果、 「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる状況」が解消したと発表した。

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 減収減益、業績の大幅下方修正発表が相次ぐ中、嬉しいニュースが飛び込んできた。決算短信を読んだが、現金・預金も倍増しており、売掛金、仕掛品も増加している。

 驚いたのは、昨年9月に確認検査手数料を平均で40%値上げしており、今年3月にも平均5%の値上げをしていることだった。

 一般的にありえない話なので、同社広報に問い合わせた。その回答は「当社だけでなく他社も値上げしており、2倍、3倍に値上げしたところもあるぐらいで、当社はむしろ抑制気味」とのことだった。

 手数料の値上げが建築費の高騰につながっているのではと思ったが、この点についても「例えば戸建ての手数料は約4万円。建築費が2000万円とすれば、全体に占める比率は微々たるもの」とのことだ。

 住宅・不動産業界を取り巻く環境は極めて厳しいが、一つの光明を見た思いがする。同社の検査業務における売上計上は@確認申請A中間検査B完了検査−の3段階で、それぞれ個別契約となっている。確認申請業務の比率が高く、ゼネコンやデベロッパーなどとは収益構造がやや異なる。

 しかし、このような確認申請業務に対する報酬がいかに低く抑えられているかも分かった。改善しなければならない問題だろう。

(牧田 司 記者 11月11日)