RBA HOME> RBAタイムズHOME >2008年 >


こんなマンションつくって欲しかった

コスモスイニシア「イニシア船橋ベイフォート」


「イニシア船橋ベイフォート」完成予想図

 

生活者の視点で商品化 名づけて「ハピカジ」 単価は125万円 

 コスモスイニシアが分譲を開始した「イニシア船橋ベイフォート」を見学した。その目的は、「毎日の家事がストレスなくできる設備や家事効率の高い間取りを採用した新しい家事スタイル『ハピカジ』」がどのようなものであるかを確認することにあった。

 物件は、 JR 総武線船橋駅から徒歩18分、船橋市栄町1丁目に位置する13階建て全90戸の規模。1期22戸の専有面積は約70〜106平方b、価格は2,598万〜3,898万円(最多価格帯2900万円台)、坪単価は125万円。竣工予定は平成21年3月。施工は清水建設。

 この概要から、関係者は単価の安さに驚くはずだ。駅からやや距離があり、京葉道路沿いという難点はあるが、船橋市役所へは徒歩9分。小・中学校、保育園、商業施設なども徒歩圏に揃っている。船橋市役所近くで分譲されている定期借地権付きマンションの坪単価は165万円だ。坪単価125万円は、土地代がただでも出来ないような安さだ。

 現地販売担当者によると、土地は清水建設が所有していたもので、同社から土地を購入、施工も同社だから安く抑えられたということだった。

 この単価の安さだけでも相当のインパクトがあるが、やはり物件の魅力は「ハピカジ」にあった。

 スラブ厚200ミリの二重床構造で、遮音等級がLL−40、トイレドアを含めたドアノブを壁面まで後退させていることなどは同社のマンションの特徴だが、主婦(あるいは主夫)にとってこんなものがあったらいいな≠ニいうアイテムがいたるところに採用されている。

 中でも、@奥行き750ミリのキッチンカウンターAホーローパネルBホーロー整流板付きレンジフードC高品位ホーロー底板D可動間仕切りE間仕切りポールFマグネット付属品――などを採用したキッチンが素晴らしい。主婦(あるいは主夫)は小躍りするはずだ。

 このほか、ここで一つひとつは紹介しきれない。ぜひともモデルルームを見学して欲しい。但し、自らが家事労働などしたことがない商品企画担当者などは100回見学してもそのよさは分からないだろう。

   
ファミリーデン(左)と奥行き3メートルバルコニー

◇    ◆    ◇

 「自らが家事労働などしたことがない商品企画担当者などは100回見学してもそのよさは分からない」――記者は、どうしてここまで書くか。家事労働の大変さ、または楽しさを経験しないと「ハピカジ」を理解できないということだ。

 私事だが、記者はほぼ10年間主夫≠行った。妻を亡くしたからだが、食事も洗濯も掃除(これはあまりやらなかったが、やるときは徹底してやった)も全てやった。ラーメンに入れるモヤシの頭とヒゲを取ったりもした。鰹節削りで鰹節を削った。子どもの弁当には幕の内弁当を作った。小学生の子どもが作文に「好物はサーロインステーキ」と書いた――これが失敗だった。そんなことより、母親のように抱きしめてやることのほうが大事だと知ったときは手遅れだった。

 そんなことはともあれ、家事労働をするとマンションの利点、欠点が見えてくる。例えば、洗濯物の物干し。こんがらがった洗濯物を洗濯機から取り出し、タオルに下着、セーター、靴下などを一つひとつほぐし、ハンガーに掛けるのだが、マンションにはハンガー掛けがない。寒い夜など、ベランダでこの作業をやると相当応える。愛情がないとできない作業だ。靴下一つ対に揃えるのも大変だ。

 家事労働を金額に換算したら、おそらく月額30万円はするはずだ。幸か不幸か、主婦は家事労働を当たり前と考え、金額に置き換える習慣がない。だからこそ夫婦円満でいられるのだろうが、マンション商品企画担当者はこの家事労働の負担をいかに軽減するか、家事労働をいかに楽しくおこなえるかを念頭におかないと、いいマンションはつくれない。工夫次第で月額10万円の負担を軽減できると記者は信じている。このマンションがまさにそうだ。

 コスモスイニシアは、マンションの商品企画に生かすため、もう2年も前から家事のストレスをなるべく少なく過ごせる住戸空間づくりを研究してきた。「船橋」は、生活者の目線から生まれた第1号マンションだ。

(牧田 司 記者 11月5日)