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タカラレーベン 決算発表 ユニークな定性的情報 

シンボルマークも一新


同社の新しいロゴ・シンボルマーク

 

 タカラレーベンは10月27日、平成21年3月期第2四半期決算を発表した。厳しい市況を反映して売上高246億円(前年同四半期比23.1%減)、営業利益22億円(同41.0%減)、経常利益16億円(同49.5%減)、純利益9億円(同49.1%減)と大幅減収減益となった。

 しかし、主力のマンション引渡し戸数に対する契約進捗状況は、通期1400戸の予定に対して74.0%となっており、前年同期の90.2%よりは悪化しているが、まずまずの進捗率だ。通期業績についても現段階で計画に変更はないとしている。

◇    ◆    ◇

 同社の前期決算についても書いたが、「定性的情報」が極めてユニークだ。同業他社のそれが「サブプライムローン」「金融不安」「信用収縮」「建築費の上昇」「販売不振」などの文言の羅列であるのに対し、次のようになっている。少し長いが、全文を紹介する。

 「人間の欲望と恐怖の間のバランスに左右される市場のメカニズムの中で、行き過ぎた隆盛あるいは縮小によりもたらされた結果として、一極集中を誇った米国経済における金融資本主義の終焉に留まらず世界的な金融危機にまで拡大した混迷時代にあって、単に傷を取り繕うための短絡的な利益行動ではなく、原点に立ち返りむしろこの機会をチャンスと捉え新しい発想の下で、より革新的な価値を創出し、より活力ある実体経済を喚起することが再生への近道であると思われます。

 そうした中、最終の支援者である消費者を重視した、中長期的のビジネスモデルの再構築も踏まえながら、会社が果たすべき役割を積極的に追求して行くことが必要であると考えます」

 つまり、激変市場の中で消費者重視の事業を展開すると宣言しているのだ。

記者も同感だ。どのように市場が落ち込もうと、マンションの購入を検討する人は、それぞれ購入しなければならない事情を抱えている。「狭い」「家賃が高い」「子どもに部屋を与えたい」などだ。中でも、一般サラリーマンにとって子どもの成長、教育は最優先事項だ。景気が悪いからといって、子どもの成長は待ってくれない。消費者に依拠すべきことは、現場の営業マンが一番よく知っている。現場を信じ、消費者を信じることこそがこの苦境を乗り切る道だ。

 この定性的情報は同社専務取締役・ 塩澤良一氏が担当しているようで、社内外の評価が高いという。ただ、最初の文章はやや長すぎる。数えたら句読点も含めて216字ある。小説の世界では、延々と数ページにわたって文章が続くものもあるが、3つの文章ぐらいにすれば、もっと読みやすくなるはずだ。

新しいシンボルマークも本日から採用

 同社は10月28日から、冒頭の新しいシンボルマークを採用した。結びつき、支えあいながら、ハーモニーを奏でるように有機的に拡がっていく 3 つの輪をデザインしたもので、新聞広告、テレビCMなどでも告知していく。

(牧田 司 記者 10月28日)