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野球だけでない 西武のマンション好調の秘密


「ユアコート鷺ノ宮」完成予想図


年間800戸以上供給( JV 含む) 完成在庫はゼロ

明確なコンセプト しっかりした造りこみが要因

 プロ野球パリーグは西武ライオンズが日ハムを下し、4年ぶりに日本シリーズ進出を決めたが、好調なのは野球だけではない。西武不動産のマンション販売が極めて順調。完成在庫はゼロというから、他のデベロッパーがうらやむほどだ。

 最近まで1戸だけ残っていた「L− Sio (エルシオ)玉川上水」(183戸)も9月末で契約を済ませ、ほぼ1年間で売り切った。分譲開始がサブプライムローン問題で株価が暴落する直前だっただけに価値がある。

 このほか、現在分譲中の「HIBARI TOWER 」(322戸)、「パークハウス ワンズタワー」(182戸)、「 Brillia L-Sio 萩山」(184戸)なども順調だ。「HIBARI TOWER」は来年3月竣工だが、現在8割以上が契約済み。来年8月竣工の「パークハウス ワンズタワー」は残り数えるほどで、完売は近い。来年7月竣工の「萩山」も計画どおり販売が進んでおり、こちらも全く心配はなさそうだ。

 同社マンション事業部長・松村英夫氏は「当社はもともと供給が少ないので」と謙遜するが、上記の物件だけでも871戸(他社との JV 含む)。この時期、これほど供給して、売れ残りの心配がないというのは特筆ものだ。それぞれコンセプトが明確で、しっかりした造り込みをしているのが好調の要因だ。

 これら大型マンションだけでなく、最近分譲開始した小規模の「ユアコート鷺ノ宮」もしっかりと造りこまれた物件だ。

 西武新宿線都立家政駅から徒歩9分、または鷺ノ宮駅から徒歩13分の練馬区中村南1丁目に位置する5階建て全44戸の規模で、専有面積は約65〜81平方b。現在分譲中の5戸は、価格が4,498万〜5,198万円(最多価格帯4,600万円台)、坪単価は240万円。完成予定は平成21年2月上旬。設計・監理はイクス・アーク都市設計、施工は西武建設。

 意匠デザインには、アーキテクチャーデザイナー・武田正人氏を起用。1階にロックガーデン、壁面緑化フェンスを配し、最上階の5階北側には緑化ゾーンも設けている。

 住戸プランは小家族向けの60平方b台もあるが、それでも間口は6.6メートルを確保。最上階住戸は10メートル以上のワイドスパンだ。

 設備機器としては、全戸に同社オリジナルの蒸気処理機能付き収納スペースやレンジフード連動吸気口を設置。ディスポーザー、24時間換気機能付き浴室換気暖房乾燥機、物干しポール(2本)も標準装備している。

 モデルルームはイデーが担当しているが、実際に住まうことを想定した造作家具などを設置しているのが特徴だ。

 こうした生活者の視点に立った商品企画こそがユーザーに支持される。デベロッパーの良心が伝わってくるマンションだ。

(牧田 司 記者 10月23日)