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伝通院を眼下に見下ろす

東急不動産「ブランズ文京小石川」


「ブランズ文京小石川」完成予想図

 

 東急不動産の「ブランズ文京小石川」を見学した。昨年後半から分譲されているもので、東京メトロ南北線・丸ノ内線後楽園駅から徒歩9分の文京区小石川2丁目に位置する10階建て全34戸(販売住戸は25戸)の規模で、専有面積は約64〜94平方b。坪単価は400万円強。建物は昨年末に竣工しており、入居予定は3月末の予定。施工は東急建設。

 記者は、現地を見学して初めて物件の詳細を知った。同社のコンパクトマンションシリーズのクオリア≠ニ勘違いしていたのだ。昨年の年初には坪単価456万円の「クオリア神南フラッツ」を見学してその単価の高さとグレードの高さに驚いたのだが、今回の「文京小石川」は、その立地条件のよさに驚いた。

 何と伝通院の目の前に建っていたからだ。伝通院とは、徳川家康の母、於大の方の菩提寺として知られている寺で、文学作品にも度々登場している。マンションはその伝通院と道路を隔てた東南の角に建っており、マンションからは伝通院の境内が見下ろせる。

 坪単価は確かに新価格だが、伝通院を眼下に見下ろす借景だけでも坪100万円の価値はあると記者は判断した。物件概要には、建基法以外に東京都や文京区の緑の保護条例、埋蔵文化財取扱要綱など10もの法令の制限を受けていることが記載されていた。

 同社の用地取得の経緯は知らないが、法令をクリアするため大変な労力を要したのは想像に難くない。建物は敷地よりかなりセットバックして建てられており、緑地空間が設けられていることからも規制の厳しさがうかがえる。

 建物の仕様レベルも高い。共用部も専用部も大理石や御影石がふんだんに用いられており、確かに億ション仕様だった。

 全25戸のうち半数近くが専有面積の広いタイプだけに販売は楽ではなさそうだが、立地条件のよさを訴えきれれば間違いなく売れるマンションだ。

 物件名を伝通院前≠ニしなかったのは、徳川家に遠慮したからだろうか。得難い借景の好マンションだ。

 

(牧田 司記者 1月8日)

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