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 伊藤忠都市開発 厳しい市場に挑む

「クレヴィア京王堀之内」


「クレヴィア京王堀之内パークナードT( TOKYO H2-O プロジェクト)」(物件ホームページより)

 

駅近3分の全308戸 坪単価は170〜180万円

伊藤忠都市開発がパナホーム、大和ハウス工業とともに共同で分譲する「クレヴィア京王堀之内パークナードT( TOKYO H2-O プロジェクト)」を見学した。

 物件は、京王相模原線京王堀之内駅から徒歩3分、八王子市別所二丁目に位置する全308戸の規模で、専有面積は約81〜143平方b(平均92平方b)。価格は未定だが、坪単価は170〜180万円になる模様だ。デザイン監修はミサワアソシエイツ一級建築士事務所、設計・施工は三井住友建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 最大の特徴は、駅から徒歩3分の高台に位置する開発面積約3万平方bの大規模物件ということだ。多摩ニュータウンの中で、これほどの駅近大規模マンションは、官民を含めても過去1物件もない。希少性の高いマンションだ。

 空地率約81%が示すようにゆったりした配棟計画で、広大な敷地を生かしたランドスケープも特徴の一つだ。アクアテラス、せせらぎ緑道、オーチャードテラス、ドッグランなどを整備するほか、共用施設として「キッズ&ママズラウンジ」などを設ける。

 専有部分の商品企画では、ライフスタイルの変化に応じてプランが選べるほか、収納の工夫、ファミリーライブラリー、専用ガレージなどの提案なども行っている。

 このほか、東京ガス「MiSTY」を盛り込んだプラン(10戸)もある。これは、1620サイズの浴室の隣に設置されているもので、大きさは浴室とほぼ同じ。ミストサウナ機能のほかに冷暖房・衣類乾燥機能なども搭載されている。多目的に利用できるため「flex −M」と名づけられている。

 また、タニタが運営する「からだカルテ」をマンションとしては初採用し、駅前に新設されるクリニックモールとの提携サービスも予定している。

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 京王相模原線の若葉台−永山−多摩センター−京王堀之内−南大沢−多摩境にかけての多摩ニュータウン内では、ここ数年、大量のマンションが供給されており、完成在庫だけでも約700戸、未完成在庫を含めると1000戸あるといわれている。値下げも日常茶飯化している。

 このような厳しい市況化で、最終的にいくらの値づけが行われるのか、どう需要を創造するのか。今後の市場動向を占う意味でも興味深い。

 伊藤忠都市開発は、多摩ニュータウンでは、これまで「イトーピア多摩センター パルテノンヒルズ」(88戸)「アルボの丘」(680戸)の人気物件を供給しており、昨年分譲の「若葉台 ザ・レジデント パークス」(170戸)も残りわずかだ。実績は十分だし、物件の力はある。

(牧田 司 記者 10月9日)