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この時期即完確実の野村「プラウド柏ディアージュ」


「プラウド柏ディアージュ」完成予想図

 

 この時期、期分けをしないでも即日完売間違いなしのマンションがある。野村不動産が9月20日から登録申込を受け付ける期間55年の定期借地権付き「プラウド柏ディアージュ」だ。

 物件は、常磐線・東武野田線柏駅から徒歩10分、柏市旭町4丁目に位置する5階建て全63戸で、専有面積は約64〜96平方b、価格は2,590万〜4,880万円 ( 最多価格帯3,500万円台 ) 、坪単価は150万円弱。竣工予定は平成21年2月中旬。

 登録を前にして来場者はすでに600件を越えており、現地販売担当者は「低層階は同じタイプが多いので申込みはばらけそうだが、上層階は3倍ぐらいの倍率が付くかもしれない」という。

 人気の要因は、もちろん価格の安さにある。所有権価格だとおそらく坪単価は180万円を突破するのは間違いなく、相場より2割ぐらいは安いはずだ。

 立地条件は、敷地北側は野田線の線路だが、嫌悪施設にはならない。むしろ、敷地南側一帯が柏駅圏のマンションでは少ない第一種低層住居専用地域であることが評価されているようだ。

 このほか、同社はこれまで「プラウド柏」「プラウドシティ柏」で圧倒的な人気を呼んだ実績もあり、プラウド≠フ設備仕様に対する評価も高いようだ。モデルルームタイプでは、廊下幅はメーターモジュール、二重床・二重天井などを採用。プラウド℃d様としては標準だが、他社物件と比べて水準以上なのは間違いない。

 ご存知ないかもしれないが、「プラウド柏」は7年ぐらい前の分譲で、坪単価は190万円ぐらいしていた。記者は、そのレベルの高さに驚嘆したことを覚えている。「プラウドシティ柏」もしかり。当時の相場より坪20万円は高かった。それでも早期完売した。売れる売れないは、単に価格だけではない。いかにユーザーのニーズに応えるかだ。マクロデータに頼っているようでは、決していい商品は生まれない。

 問題は、今回はどうして定借にしたのかだ。販売担当者によると、土地所有者は駐車場として利用していたが、稼働率が低く、もっと有効活用できないか。しかし、土地は売りたくない≠ニいう考えだ。そこで同社が定借を提案したのだ。契約がまとまったのが平成18年。期間55年にしたのは、地主の意向だそうだ。つまり、所有者にとっては生存している間に返して欲しい≠ニいうことでこうなったようだ。

 つまり、地主の意向を受けて同社がもっとも適した提案を行ったのが定借マンションとなったわけだ。同社としても「所有権で180万円を超えたら、このエリアでは売れない」と語ったように、同駅圏のマンションは軒並み売れ行き不振に悩んでいる。在庫の山だ。

 市況の急変に臨機応変に対応した商品企画が奏功したわけだ。大手ですらこのように対応しているのだから、中小デベロッパーは必死で商品企画を練らないと生き残れない。このような定借もいいだろうし、所有権と賃借権の併用、あるいは選択性もありうる。所有権が70%で、賃借権が30%という方法も考えられる。

 ユーザーの取得意欲は全然衰えていないことをデベロッパーは確信すべきだ。

(牧田 司 記者 9月19日)