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タイムシェア型居住促進 来年度予算化へ 国交省

 

 わが国でのタイムシェア型居住を促進することの意義、消費者が安心して利用できる枠組みなどを検討する「タイムシェア型住宅供給研究会」(委員長:浅見泰司東大空間情報科学研究センター副センター長・教授)の第4回目の会合が8月8日、国土交通省で開かれた。

 同研究会は、今年5月に設置されたもので、今回が最終会合。これまでの論点を整理して「報告書」としてまとめられる。

 国交省・和泉洋人住宅局長は最後に挨拶し、「研究会で得られた成果を踏まえ、ビジネスモデルとなるような事業提案をしていただくよう来年度予算に盛り込む」と語った。

 前回の第3回会合では、供給事業者からヒアリングが行われ、わが国のタイムシェア市場の展望について、@単独で別荘を保有するのに比べ、コスト面が割安で管理も手間もかからないタイムシェアの市場は今後とも拡大していくA団塊世代の大量退職に伴うアクティブシニアの増加を踏まえれば、タイムシェア市場は今後拡大していく――などの意見が出された。

 その一方で、課題として@わが国は諸外国と比べ、長期休暇がとりにくい点が市場拡大の制約になっているA利用者側の環境整備と供給者側の環境整備の両方が必要Bリゾート会員権の商品性に統一性がないので、消費者にわかりづらくなっている面があるC信託のコストが下がる環境整備が今後の課題――などの意見も出された。

 委員会では、これらの意見を踏まえ、@信託方式を活用した供給スキームA区分所有権・賃借権を活用した供給スキーム――などを併記して報告書に盛り込む。

◇   ◆   ◇

 これまでの委員会では様々な意見が出されたが、タイムシェア型居住は大きな市場に発展する可能性を秘めている。

 さまざまな論点を指摘するだけでは、ことは運ばない。和泉住宅局長も語ったように、まずスタートを切ることだ。スタートを切ることで課題も見えてくるし、解決策も見つかるはずだ。

 国際的に通用するような交換システムを構築することが必要との意見も出されたが、地方の活性化の視点からもこのことは重要だろう。日本人だけでなく外国人にもどんどん利用してもらえるような環境・施設を整備して欲しい。わが国独自の文化・風土、気質、つまり美しい日本≠ヘ、都市より地方でこそ発見できる。

(牧田 司 記者 8月8日)