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奇跡の街℃R万「ユーカリが丘」で新たな試み


「ビオ・ウイング ユーカリが丘」完成予想図

 

環境共生と子育てがテーマ「ビオ・ウイング ユーカリが丘」

 記者が奇跡の街≠ニ呼ぶ、山万「ユーカリが丘」の環境共生と子育てをテーマにしたマンション「ビオ・ウイング ユーカリが丘」を見学した。

 物件は、山万ユーカリが丘線中学校駅から徒歩1分、佐倉市井野東土地区画整理事業地区内に位置する13階建て全323戸の規模で、専有面積は約69〜126平方b。現在分譲中の1期1次(30戸)の価格は2360万〜 4850万円(最多価格帯2700万円台、2900万円台)で、坪単価は130万円。設計・施工は鹿島建設。竣工予定は平成21年2月末日。

 「ユーカリが丘」は、開発面積約245ヘクタール、計画戸数約8.400戸、計画人口約3万人のニュータウンで、事業着手して以来37年が経過するが、少子化とも高齢化とも無縁の街だ。それどころか、2つの区画整理事業が進行中であるように、まだまだ成長し続けている。千年優都≠スローガンに掲げ、街の進化・成長・持続できるシステムを構築、地域住民、行政などとともに実践しいるのが成長の秘密だ。

 記者が奇跡の街≠ニ呼ぶのは、このようなニュータウンは他に例がないからだ。


マンションの眼前に広がる「宮の杜公園」と「錦が池」

 今回分譲するマンションも、山万だからこそ企画できるマンションだ。これほど様々な切り口で語れるマンションも少ない。

 第一に、マンションが建つビオトピア街区は総面積約11ヘクタール におよぶ自然・商業施設・住宅の複合開発で、子育てマンションとシニア住宅、老人ホームが一体となって開発されるというユニークなプロジェクトである点だ。老人ホームやシニア住宅が併設されたマンションはあるが、それぞれコンセプトが異なる住宅3点セットというプロジェクトはそうないはずだ。それぞれの住宅がどのように影響しあうか、楽しみなプロジェクトだ。

 住宅・公園・調整池を一体として整備したマンションである点も面白い。敷地南側には太陽光発電で地下水を汲み上げるポンプ小屋や風車が設置されており、汲み上げた水はせせらぎとなり「宮の杜公園」を流れ、調整池を活用した「錦が池」に注ぐ。池には、あの山古志村から取り寄せた約5万匹の錦鯉の稚魚が放流されており、今は約30センチにまで育っているという。敷地には「鎮守の森」、田園地帯なども隣接する。

 最近は調整池が有効活用されている事例もあるようだが、住宅と公園と一体となって活用される事例はそうないはずだ。

 隣接する田んぼを利用した、田植えから収穫まで体験できる「森の幼稚園」づくりも注目したい。これは、子どもたちに単に農業体験をさせようというだけでなく、併設するシニア住宅や老人ホームの入居者などとの接点≠フ場を提供し、地域コミュニティを形成しようという考えもあるはずだ。

 このほか、「環境共生住宅認定」、「子育て認定マンション」、山中湖の別荘「フェザント山中湖」と提携、タイムシェア型利用権付き、共同浴場付きというのが特徴だ。同社はじっくりと腰を据えて販売していく方針だ。

 街づくりの旗振り役の1人、同社専務取締役・林新二郎氏は「やっていること一つひとつは、何の儲けにもならないことかもしれないが、これがわれわれデベロッパーの使命」という。デベロッパーだけでなく、行政担当者にもじっくり見学して、研究して欲しい街だ。都市間競争≠ノ勝ち自立する街≠目指すヒントがこの街にはある。


同社専務取締役・林氏

(牧田 司 記者 7月31日)