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 ヒットの予感 野村不動産の新しいビル事業「PMO」


「PMO 日本橋本町」

 

第一弾 「PMO 日本橋本町」が竣工 3年後20物件に

 野村不動産は7月1日、市場ニーズに対応した新しいオフィスビル開発事業「プレミアム ミッドサイズ オフィス」(PMO : PREMIUM MIDSIZE OFFICE )の第一弾 「PMO 日本橋本町」が竣工したのに伴い、記者発表会を行った。

 「PMO」は、中・小規模サイズでありながら大規模オフィスビルの高いクオリティー(デザイン性・機能性・防犯性等)を兼ね備えた新しいカテゴリーのオフィスビル。これまでの同社グループのオフィスビルのマネジメント及びテナント管理・サービスを通じてヒントを得た商品で、現在、「日本橋本町」を含め7物件を開発中で、今後は年間5〜6物件、3年以内に20物件規模へ拡大するとしている。

 事業の供給マーケットエリアを都心5区中心に厳選するとともに、建物完成後は短期で売却するのではなく、同社で継続的に所有・マネジメントを行なうことで、PMOのブランド価値を高めていく。

 PMOの特徴は、ワンフロア当たりの貸室面積を100坪前後というサイズを基準としており、@セキュリティ重視のワンフロア・ワンテナントA大規模ビルに劣らない設備仕様Bデザイン重視――など。

 具体的には、@大型ガラスを用いたカーテンウォールを採用し、基壇部と塔屋部分に黒を配したシンプルで力強いファサードデザインAデザイン監修に様々なジャンルの建築・デザインを手がけてきた飯島直樹デザイン室を起用Bトイレ・共用部はホテルライクな設えCテナント専用の喫煙スペースを確保Cエレベーターホール前にセキュリティゲートを設置Dトイレ・ユーティリティスペースへのアクセスは貸室からのみ――など。

 「PMO 日本橋本町」は、JR総武線新日本橋駅から徒歩5分・東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩5分・JR山手線神田駅から徒歩7分の中央区日本橋本町4丁目に位置する敷地面積約476平方b、地上9階・地下1階建て、延床面積約3,469平方b。設計は野村不動産一級建築士事務所、デザイン監修は飯島直樹デザイン室、施工は佐藤工業。

  
左から1階フロア、モデルオフィス、レストルーム

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関係者の熱い思いが伝わる記者発表会


左から岩本、石原、廣瀬、野村不動産ホールディングス広報部長・片山優民の各氏

 記者発表会で、このようなビルを開発するきっかけについて同社法人カンパニービルディング事業部長・岩本雅人氏は、次のように切り出した。

 「2年前、私とトップクラスの実績をあげているリーシング課長が話していて、その課長が『小さい面積を求めている企業はたくさんあるが、セキュリティ、設備仕様も整ったそのようなニーズにあうビルはないんですよね』と話したのがきっかけ。この声がヒントになった」

 続いてビルの概要について説明した法人カンパニービルディング事業部長代理PMO事業課長・廣瀬政男氏は、次のように熱っぽく語った。

 「マンションのプラウドが生まれたのと同じように、開発・リーシング・運営のスタッフが同じフロアで一体となって産み出した商品。賃料はAクラスの大規模ビルより2〜3割引き、他の中小ビルよりは2〜3割高ぐらいならお客様に理解していただける」

 さらに、最後に建物について説明した同社建築部副部長・石原弘大氏は、次のように語った。

 「圧倒的な存在感とシンプルなデザインに仕上げた。ロビーフロアにはアロマの香り演出し、人間性、アート性など感性に訴える建物にした」

 記者は、オフィスビルのことはよく分からないが、同社の関係者の説明を聞きながら「これはヒットする」と思った。ビルの専門家でなくともそのような潜在的なニーズはあるのはよく理解できる。同業他社の追随はあるだろうが、プラウド%ッ様「RMO」が同社ビルの大きなブランドに育つ可能性は大きいと見た。関係者の熱い思いが伝わってきた記者発表会だった。

 オープンイベントとして、元フジテレビアナウンサーの大橋マキさんが司会役の、デザイン監修を担当した飯島氏と、「ソトコト」編集長の小黒一三氏によるトークショーも行われた。


左から飯島、大橋、小黒の各氏

 

(牧田 司 記者 7月1日)