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スルガコーポレーション民事再生 どうなるモンゴル開発

 

 スルガコーポレーションは6月24日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。
  同社は1972年(昭和47年)3月設立。昭和50年代にマンション専有卸しで業容を拡大。その後、バブル崩壊後は自社開発にも力を注いできた。90年10月には株式を店頭登録、95年8月には東証2部に上場した。 2008年3月期の売上高は約1250億円。

 しかし、同社が所有していた商業ビル入居者に対する立ち退き交渉を依頼していた反社会的組織との関係が今年になって表面化、資金繰りが悪化、金融機関からの支援も難しくなっていた。負債額は約620億円。

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 記者は一昨年、RBAの取材でモンゴルを訪問し、同社が開発を進めていた「Four Seasons Gardens」プロジェクトを取材した。

 同プロジェクトは、ウランバートル市郊外の約880,000uに住宅地、小売・商業施設、オフィスエリアを2005年から約10年間の計画で開発を進めることになっていた。

 マンション・戸建ての計画戸数は3273戸で、記者が訪問したときは分譲直前だった。70平方bぐらいのマンションの価格は確か200〜300万円と聞いた。モンゴルのサラリーマンの年収が日本円にして十数万円だから、年収の20〜30倍の値段だった。現地では「ジャパンタウン」と呼ばれていた。

もちろん、ターゲットの中心はモンゴル在住の日本人や外国人と説明を受けた。その後、1期 122 戸の販売は順調に進み、昨秋の竣工までに完売したとも聞いていた。

 モデルルームの設備仕様はわが国の中クラスで、外断熱工法のため壁の厚さがけた違いに厚く、暖房施設がかなりのスペースを取っていたのを記憶している。

 同社の経営破たんで、同プロジェクトがどうなるのか。気にかかる。

(牧田 司 記者 6月25日)