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タイムシェア型居住をわが国でも普及促進

国交省が第 1 回「タイムシェア型住宅供給研究会」

 

 タイムシェア型居住をわが国でも普及促進――国土交通省は5月13日、第1回「タイムシェア型住宅供給研究会」(委員長:浅見泰司・東京大学空間情報科学研究センター副センター長・教授)を開いた。

 「タイムシェア型住宅供給」とは、リゾートマンションなどの施設の1住戸について複数の所有者が毎年一定の期間に利用できる権利を保有する住宅供給のことで、同研究会は、普及を図るための支援のあり方を検討するため立ち上げたものだ。

 同研究会委員には浅見委員長ほか10人が就任。4回の会合を開き、今秋には取りまとめを行う。国交省側からは和泉洋人住宅局長のほか、地域の活性化、観光振興にも貢献することから内閣官房地域活性化統合事務局と経済産業省の担当者も参加している。

 今回の会合では、欧米におけるタイムシェア供給の状況・仕組み、わが国のリゾート居住関連の市場動向、タイムシェア型住宅供給の促進の可能性、意義、課題などが話し合われた。

利用権は約200万円 5年間で投資額の半額を回収

 記者は、この制度の普及に大きな関心を持っている。是非とも普及させて欲しいと思っている。バブルの頃には「あと5年もすれば、一般サラリーマンがリゾートマンションを単独か、あるいは共有で所有する時代が来る」と真面目に考えたものだ。

 バブル崩壊でその夢はついえたが、あれから20年。団塊世代が定年退職期を迎えた。時間もカネもあるこれらの層を中心とする複数地域居住を希望する潜在的なニーズは相当あるはずだ。

 アメリカでは全世帯の約4%が利用権を所有しているという話も納得できる。タイムシェア利用権は200万円ぐらいだということだし、人気のある施設は第三者に貸すことで5年間ぐらいで投資資金の半額を回収できるというのも頷ける。

 委員会では、わが国で普及させるためには消費者が安心して利用できる権利保全や、国を超えた交換市場の整備が必要なことなどが話し合われた。

 普及促進には、盆、正月に集中して休暇を取るわが国の習慣、まとめて休暇を取りづらい企業環境、受け入れ先のホスピタリティなどの問題もありそうだが、問題をあげつらうより思い切ってスタートを切ることも大事だ。

 和泉住宅局長も「いろいろ問題もあろうが、やってみることも必要」と制度整備に意欲を見せた。不動産協会も、今年度の活動方針の中にマルチハビテーションの普及促進を掲げている。

 (牧田 司 記者 5月15日)