RBA HOME> RBAタイムズHOME >2008年 >

タカラレーベン3月期決算 2ケタ増収増益 増配へ

 タカラレーベンは5月12日、平成20年3月期決算を発表した。売上高 647 億円(前期比△11.7%)、営業利益72億円(同△17.8%)、経常利益62億円(同△10.3%)、当期純利益35億円(同△11.0%)となり、増収増益を達成した。当期配当は中間期、期末とも1円増配し、年間24円とする。

 主力の分譲マンションでは、23棟(1,625戸)を販売。 25.2%の高い粗利益を確保した。

 次期業績予想では、売上高765億円(同△18.1%)、営業利益54億円 (同▼25.1%) 、経常利益41億円 ( 同▼33.9%) 、当期純利益23億円 (同▼34.4%) を見込んでいる。

◇  ◆  ◇

 同社の決算短信が面白い。全体で62ページだから量的には普通かもしれないが、定性的情報が分かりやすく書かれている。

 概況の説明では、同業他社は「サブプライムローン問題」を真っ先にあげているが、同社は「時が経つにつれ、アメーバのごとくに増殖し様々な分野から知らぬ間に溜まる大きな課題の塊が、マグマとなって一気に噴き出す前にいかに処理できるかを歴史の中で試されようとしている、今が正にその転換点であると思われます…」と、このような文章では異例と思われる文学的な表現で、現状分析している。

 中堅の同業他社は大幅な減収減益となっているが、同社は増収増益で踏ん張った。今期はさすがに減益を見込んでいるが、増収増益を見込んでいる他社と比べ、市況の厳しさを折り込んでいる意味で良心的ですらある。村山社長の堅実な舵とりが目に浮かぶようだ。

                                                                      (牧田 司 記者 5月12日)
ページトップへ戻る