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三菱地所3月期決算 2ケタ減収で利益の伸び鈍化


今期売上高は1兆円突破 藤和不動産の連結子会社化が寄与

 三菱地所は4月30日、平成20年3月期決算を発表。海外連結子会社の全株式を前年度末に譲渡したため1545億円の減収となったのが影響し、売上高が2ケタの減収となったが、部門別ではビル、住宅などは利益率などがアップし増収増益となった。利益の伸び率は鈍化した。

 連結売上高は7876億円(前期比▼16.9%)、営業利益は1779億円(同△7.1%)、経常利益は1620億円 ( △6.8% ) 、当期純利益は869億円(▼11.0%)となった。配当金は今中間期末に2円増配して8円とし、今期末の8円とあわせ年間16円とする予定。

 主力のビル事業は、昨年4月に竣工した「新丸ビル」、9月にオープンした「ザ・ペニンシュラ東京」のほか、既存ビルの賃料改定等が収益に寄与し、営業収益は3805億円で、前年度に比べ266億円の増収となった。空室率は、平成19年3月末時点で1.68%だったのに対し、平成20年3月末時点では2.06%とやや高まった。

 分譲事業は、マンションの売上計上戸数が前年度に比べ減少したため減収となったが、マンションの原価率の改善などにより、営業利益は若干の増益となった。

 このほか、設計監理事業が営業収益、営業利益とも伸ばした。海外事業は大幅な減収となったが、営業費用がなくなったことなどから大幅な増益となった。不動産サービス業は営業収益、営業利益とも減少。注文住宅は6億円の営業損失(前期は1億円の営業損失)となった。

 純利益は、関係会社株式の売却益、固定資産信託受益権の売却益などの特別利益を計上したが、有価証券評価損、減損損失、たな卸資産評価損などの特別損失を計上したため前年度より106億円の減益となった。

 平成21年3月期の連結業績予想は、売上高1兆720億円(前期比△36.1 %)、営業利益1965億円(△10.4%)、経常利益1625億円(△0.3%)、当期純利益805億円(▼7.4%)を見込んでいる。藤和不動産を連結子会社化したため住宅事業でほぼ倍増の大幅増収増益を見込んでいるほか、ビル事業、不動産サービス業でも増収増益を見込んでいる。

                                                                      (牧田 司 記者 4月30日)
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