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東栄住宅 マンション商品企画を見直し

 

「様々な要素が融合した街づくり目指す」佐藤本部長

 東栄住宅の開発本部本部長・佐藤哲生氏に話を聞いた。佐藤氏は昨年10月、マンションの商品企画の充実を図る目的で行われた組織改革・人事異動で現職に就任している。

 取材を申し込んだのは、次のような理由からだ。現在の不動産市況は最悪の状況にあるが、どこが真っ先にこの苦境から抜け出すだろうかと考えたとき、同社が浮かんだからだ。

 現在、同社の業績も芳しくない。佐々野俊彦会長も「利益が出ない」とぼやいている。しかし、あの最悪のバブル崩壊から最初に立ち直ったのは同社だ。確か平成 4 年だった。不動産氷河期に突入する頃だ。そんな頃に同社はバブルの精算を終え、上昇の機運にあった。古くて小さな旧社屋で、佐々野社長から話を聞いたのを覚えている。その後、快進撃が始まったのは周知の事実だ。

 そんな記憶が甦り、佐々野会長に取材を申し込んだところ、紹介されたのが佐藤氏だ。

 佐藤氏は平成9年入社で、世田谷支店長を務めるなど戸建てを担当していた。まだ着任したばかりで、マンション市況の先が読めない段階なので佐藤氏は多くを語らなかったが、次のように展望を語った。

 「組織を変え、商品企画も変える。これまで商品企画が弱かったのは指摘されたように事実。現在、抱えているマンション在庫は処理するほかない。そのメドも立ったし、高値で仕入れた案件も少ないので軌道修正はできる。当社は戸建てのリーディングカンパニーを標榜してきたが、これからは戸建てもマンションも他社にないことを先駆けてやっていきたい。単純なファミリーマンションはもう止めようとも話している。シルバー、子育て、コンパクト、コミュニティなどが融合した街づくりも行っていく。異業種との連携も図っていく」

 同社と同じような戸建てが主力のデベロッパーは、マンション事業を拡大して傷口を広げているが、同社は最小限に食い止められそうだ。来年当たりには、新しい商品企画のマンションが登場するはずだ。

 同社は戸建て部門でも先日1月11日、大幅な組織改革・人事異動を行っている。急激な市場環境の変化に対応するためだ。

 

(牧田 司記者 1月21日)

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