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ジョイントの新会社の方向性が見えるマンション「和光」


「アデニウム和光」完成予想図


デザイナーに藤原益男氏起用 沿線で突出した出来栄え

 ジョイント・コーポレーションは4月1日付けで、子会社のエルカクエイとジョイント・ランドを統合し、新会社(株)ジョイント・レジデンシャル不動産を設立した。新会社設立に伴い同社の分譲マンション事業を新会社に業務委託した。

 事業分担を明確にすることでシナジー効果を狙ったものだが、記者が注目したいのは新会社のマンション事業だ。これまでエルカクエイもジョイント・ランドもファミリーマンションやコンパクトマンションを供給してきており、ジョイント・コーポレーションも同じようなマンションを供給してきた。それぞれが微妙なデザインの違いやコンセプトの違う物件を供給してきた。会社が統合することで、他社との差別化を図り、一層のブランド力を構築するのには賢明な選択だと思っている。

 そこで、早速、2つのマンションを見学した。「アデニウム和光」と「アデニウム武蔵小金井」だ。後者は後ほど紹介するとして、まず前者から紹介しよう。

 物件は、都営地下鉄三田線西高島平駅下車から徒歩12分、埼玉県和光市白子3丁目に位置する8階建て全112戸の規模で、専有面積は約68〜86平方b、価格は未定だが、坪単価は180万円ぐらいになる模様だ。設計・監理はイクス・アーク都市設計、施工は川田工業。完成予定は平成21年3月上旬。建築家でデザイナーの藤原益男氏が外観デザイン、住戸デザインを担当している。

 モデルルームを見学して、かなり力が入っていることが分かった。もともとジョイント・コーポレーションはデザイン・企画に特徴があるマンションを供給してきたが、最近は不動産流動化事業や証券化事業などに力を注いできており、マンションはいま一つインパクトに欠けるものがあった。企画は優れていても、ニーズにマッチしないものもあった。

 ところが、この「和光」はデザイン・住戸プランが東上線沿線物件の中で突出した出来栄えだろう。

 外観は、5色のアースカラーを採用。ルーバーやパンチング、中国瓦、左官仕上げのパネルなども採用して、印象的なものにしている。

 78平方bのモデルルームは、最上階の特殊住戸だが、天井高は 2700ミリで、リビングには化粧梁が取り付けられており、キッチンはちょうど出っ張ったところに設けられている形で、カウンタートップは3200ミニあった。オープンキッチンのようでもあり、独立型キッチンのようでもあった。随所にオプションだが、和の演出も見られた。洗面所もデザイン性のたかいものが採用されていた。

 この突き出た部分を浴室にしたタイプもあり、ほぼ正方形のワイドスパン住戸もあった。

 二重床・二重天井を採用するなど、基本性能もこの沿線物件の中では高い。

 問題を指摘すれば、間口が6200ミリぐらいの3LDKも少なくないことだ。この種の間取りはこの沿線の物件に多く見られるものだが、だからこそ売れ行きが芳しくないとも考えられる。間口を狭くして、面積も狭くするのは分かるが、やはりそれなりの工夫が必要だろう。

 このプランは完売までやや時間がかかりそうだが、特殊住戸プランは間違いなく早期完売するはずだ。坪単価も妥当な値段だろう。

 新会社の目指すものが見えてくる好マンションだ。

 

(牧田 司記者 4月17日)

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