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「東京ミッドタウン」が3月30日グランドオープン

グランドオープンを控えた26日、記者会見する三井不動産・岩沙社長ら

 

三井不動産・岩沙弘道社長らが記者会見

 三井不動産(事業比率40%)と全国共済農業協同組合連合会、安田生命保険相互会社、積水ハウス株式会社、富国生命保険相互会社、大同生命保険相互会社の6社コンソーシアムが2001年9月、六本木防衛庁跡地を総額1800億円(坪単価759万円)で落札してから5年半。総事業費3700億円を投じた「東京ミッドタウン」が3月30日グランドオープンするが、オープンを目前に控えた26日、三井不動産・岩沙弘道社長、同社・大室康一副社長、同社・市川俊英東京ミッドタウン事業部長らが記者会見を行い、マスコミ関係者500〜600人が集まった。

 岩佐社長は、用地取得からわずか5年半でオープンに至った開発スピード、開発段階から証券化手法を用いた開発手法などを強調。オフィス、住宅、商業、文化交流施設など、都市再生の拠点として国際競争力に負けない街づくりを進めたと語った。具体的には、デザインと地域との共生に注力し、知的財産の創造や都市的ライフスタイルの提案を行ったと述べた。

 当プロジェクトは、隣接する檜町公園との一体で大規模なオープンスペース整備を行い、地区計画面積は約10.2ヘクタールで、合計約 4 ヘクタールの広大な緑を確保。容積率は当初480%から670%に緩和されている。延べ床面積は約56.4ヘクタール。マスターアーキテクトとして、アメリカの総合建築設計事務所である SOM を起用。安藤忠雄氏や隈研吾氏、三宅一生氏などの建築家やデザイナーも起用。国内外の建築デザイン事務所を複数起用したコラボレーションとして注目されている。

ガレリアの床材はほとんどバンブー(竹)

 外観デザインは、障子をヒントにした縦のラインが印象的で、サントリー美術館や様々なレストラン、ショップが入居するガレリアの床は、石張り一部を除き全てバンブー(竹)のフローリングとなっているのも特徴だ。隈研吾氏が担当した「サントリー美術館」は、格子窓を連想させる大空間、桐材を用いた壁、樽材を再利用した床材がみものだ。安藤忠雄氏が設計した「 21 _ 21 DESIGN SIGHT」は時間の関係で見学できなかった。

勢地価は取得時の数倍

 記者は、このプロジェクトには用地取得段階からずっと注目してきた。岩佐社長が強調した開発スピード、開発手法もさることながら、1800億円という取得価格も極めて妥当な価格であったと思う。当時の同業他社は高値入札≠ニ批判したが、現在の実勢価格は取得価格の数倍だろう。大室副社長も「当時は高いといわれたが、現在は少なくとも2倍、3倍にはなっているだろう。それも私たちが価値を高めた結果だ。埋蔵文化財の発掘、環境アセスなども同時進行した結果、事業のスピードアップ化を図れた」と胸を張った。

 同社は年間来場者3000万人、年間売上げ300億円を見込んでいる。

   

       サントリー美術館                    「21_21 DESIGN SIGHT」

 

(牧田 司記者 3月26日)

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