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三菱地所が藤和不動産を子会社化 

独立系マンションデベロッパーは全て系列化

 

 三菱地所は、藤和不動産が来年1月7日に実施する第三者割当増資の全株式を取得する。その結果、三菱地所は藤和不動産の発行済み株式の51.88%を取得することになり子会社化する。

 両社は平成16年12月、戦略的パートナーシップの構築について合意し、資本提携契約を締結した。その後、両社のそれぞれの強みを生かした共同事業を実施、シナジー効果を発揮して収益向上を図ってきた。今回の合意は、もう一歩踏み込んだ両社の関係強化の必要性があるとの認識に至ったためとしている。

 記者は、この合意は双方にとってメリットは大きいと見る。藤和不動産の財務基盤が強化されるのはもちろんだが、マンション事業でそれぞれのノウハウを強化・補完できるからだ。

 三菱地所は「パークハウス」ブランドを展開するが、これまで郊外・1次取得層向けはあまり手がけてこなかった。一方の藤和不動産は「ベリスタ」を掲げるが、三菱地所のような高額マンション事業はほとんど行ってこなかった。グループ力を強化することで、ユーザーへの浸透度は一層強まりそうだ。

 しかし、今回の合意によって、かつてマンション供給上位を占めていた独立系マンションデベロッパーがほとんど系列化されたのはやはり寂しい。大京はオリックスに、ダイア建設は紆余曲折の末にレオパレス21傘下に、コスモスイニシアも現在はユニゾン・キャピタルが筆頭株主だ。

 記者は、今後も大手デベロッパーによる系列化は加速するとみる。来年は業界再編成がありそうだ。

 

(牧田 司記者 12月17日)

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