RBA HOME> RBAタイムズHOME >2007年 >

「プリズムタワー」のエンプティネスター対応とは


「O - Path目黒大橋」全景

 

 前回、当欄で紹介した東急不動産ほか「プリズムタワー」でもう一つ注目したのが、「間取りについてはシングル・DINKS・ファミリー・エンプティネスターなど、お客様の様々なライフスタイルに対応する」とニュースリリースに書かれていた点だ。  

 記者は、この「エンプティネスター」の言葉の意味が分からなかった。エンプティだから一瞬、記者のような文無しかと思ったが、もちろんそんなはずはないので調べた。「empty-nest」とは「空の巣」という意味だ。

 「empty-nest syndrome(空の巣症候群)」という言葉もあるようで、「40代から50代の女性によく見られる抑うつ症状。子育てが終わり、子どもが家を巣立っていったあたりから出てくる事が多いので、こう呼ばれる」(Wikipediaホームページから)とあった。

 なるほどと思った。身近にもそのような人を何人も見てきた。「この人は、子どもが独り立ちしたらどうするのだろう」という人も多く見てきた。話題が子どものことしかないのだ。嫌な言葉だが、「空閨」も頭に浮かんだ。 子どもに独立され、連れ合いを亡くした人の寂しさは、経験しないと分からないだろう。

 さて、このような空の巣症候群に対応するマンションとはどのようなものか。このような症状を解消するマンションを開発したら大ヒット間違いなしなので早速、現地販売担当者に聞いた。返ってきた言葉は、「そのようなことは聞いていない。きっと言葉の使い方」だった。空の巣症候群に効果があるというものではなかった。

 もう一度、社に帰って、ニュースリリースを確かめた。確かに「空の巣症候群に対応する」とは書かれていなかった。記者の早とちりだったわけだ。分かりやすくいえば2LDKを1LDKにするなど、思い切ったプラン提案をしているとのことだった。

 しかし、今回のエンプティネスター対応は、多くのヒントを与えている。子育てが終わった熟年世代の暮らし方について、どんどん提案を行って欲しい。ソフトも含めた提案をすれば大きなビジネスに発展するのではないか。

 親子との隣居提案、ホテル&リゾート利用権付き分譲、冷めた夫婦のよりを戻す間取り、二人で楽しむキッチン提案、アルツハイマーにならない間取り、友人を招きたくなる間取り etc. 何でもありそうだ。  

 

(牧田 司記者 11月13日)

ページトップへ戻る